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正義と悪徳の狭間で
導入編
麻帆良編
導入編 第7-M話 麻帆良という街
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ね。

だが皆がそうではない、どんなに役に立とうとも『あんな街』は消してしまうべきだし、
どんな理由があろうと武器の密売など言語道断だ、と言う考えの方があの街の存在を知る者の中でも一般的だ。

魔法の秘匿と言う大原則がなければ、いったいどれだけの魔法使いが君達の牽制を無視してあの背徳の街に殺到するか分かったものじゃないし、君達を潰したくてしようがないという連中も掃いて捨てるほどいる」

驚いた、この街にここまで言う人がいるとは。

「君達アンブレラは、特に直接武器を売るエージェントはこの街では良い目で見られない。

よく覚えておくといい、この街には君たちの味方はほとんど居ないと言う事を」

「…貴方はどうなんです?Mr. ガンドルフィーニ」

あえて高笑いするという選択が頭をよぎったが、一応心配してくれているらしい相手にそれはない。

「さあね、私は君の事を資料以上に知らない、故にそれを断言する事ができないよ。
ただ、私は教師だ、君の味方でいることができるならそうしたいと思っているよ」

私が何も言わないのを確認するとガンドルフィーニ先生はまた最初のような表情に戻っていった。

「またね、長谷川君。次も友好的に会えることを祈っているよ」

そう言ってガンドルフィーニ先生は去って行った。

「…一度帰るか」



昼食用にパンとパックジュースを買って部屋に戻るとまだマナは来ておらず、刹那も戻ってきていなかった。
自分の個室に入ると鍵を閉めると、内部から追加で防音・認識阻害結界を張る。
そしてコンピュータの画面を付けて、そこそこ長いパスワードを打ち込む。

すると、ごく一般的なOSのデスクトップが現れる。

そこからいくつかのプログラムを起動させた後、チャット画面を開いた。

そしてそこに『不思議の国のアリスへ(For Alice in Wonderland.)』と打ち込んだ。
すると画面に『お帰り、レイン。出てもいい?』という文字列が現れる。

『ああ、出て来い』

パソコンに向かってそう言うと画面から一匹のネズミが現れる。

『改めてお帰り、レイン。
あと3時間ほどで昨日の21時53分に晩指示された仕事は終わる予定だよ。
アンブレラから特に重要な情報や仕事は降りてきてないよ』

こいつは電子精霊のアリス、アンブレラ社との通信や情報収集、拠点の防諜をさせている。
常時私の携帯にアクセスさせており、色々とさせていたりもする。
今も、それを利用して帰宅途中にアンブレラとの連絡を済ませておいた。

『で、Mr.ガンドルフィーニの情報はあったか?』
『うん、ディスプレイに表示するね』

唐突にPCのディスプレイにガンドルフィーニ先生の情報が書
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