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正義と悪徳の狭間で
導入編
麻帆良編
導入編 第7-M話 麻帆良という街
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は関東魔法協会との協定により身分証と許可証の提示をお願いしているのですが、よろしいでしょうか」
ここで提示できないなら注文の方向性だけ聞いて協定の範囲外で活動するエージェントに取り次ぐしかない。

「そうだったね、ほら」
そういって彼が提示した身分証明は職員証だった、許可証も問題ない。
「関東魔法協会所属のガンドルフィーニ先生ですね、失礼します…はい、確認しました、ご注文を」
むしろ、ちゃんと規則を守ってるかという査察の可能性があるな、こりゃ。

「では、9mmパラベラム規格の第1級通常弾を500発、電撃麻痺弾を100発もらえるかな」
「了解しました、第一級通常弾が100発入りケース5つで2万5千円、電撃麻痺弾が100発入りケース1つで1万5千円、合計4万円です。
引き渡し方法はどういたしましょうか、今すぐにでもお渡しできますが」
「そうだね、ならば今すぐうけとろう」
「では…そうそう、許可証はご覧になりますか?」

そういいながら、ショルダーバックに手を突っ込んで小さめの紙袋を取り出す。

「いや、いいよ。まあ、そのうちちゃんと携帯しているかの確認で見せるように言うかもしれないけどね」
「はは…気を付けます…では」

紙袋を広げ、右手を突っ込むとつぶやくように詠唱する

『サリッサ・フラメア・ハルバード
わが右腕の前に開け、扉よ。識別名『販売用魔法式弾薬庫』』

紙袋の中(正確には右手の前)に魔法陣が浮かぶ。

手をその魔法陣に突っ込むと中のイメージが脳に送られてくる…さらに詠唱を続ける。

『来たれ、9mmパラベラム規格第1級通常弾5ケース、電撃麻痺弾1ケース』

手にこつんと物が当たる感覚…手を引き出すと紙袋の中に6つの弾薬ケースが落ちた。
それが確かに目的の物である事を確認する…間違いない。

『扉よ、閉じよ』

魔法陣を閉じてガンドルフィーニ先生に紙袋を差し出す。

「お待たせしました、ガンドルフィーニ先生、ご注文の品です、ご確認を」
「うん、代金だよ、確認してくれるかな」
商品と代金を交換してお互いに目視で正しい事を確認する。

「うん、確かに注文通りだ」
「はい、こちらも代金を確認しました、またよろしくお願いします」
そういって軽く会釈する。

「そうだね、また何か買うとおもう…それと」

彼は真面目な顔と声色で話し始めた。

「私は正義の名の元に行われる事の全てが本当に正しい、とは思っていない。
全体的に見て、最も合理的に悲劇を軽減する方法が必ずしも正義ではない事も知っている。

君が暮らしてきた『あの街』の事も、君達がそれをよしとする『名目』も承知してる。
当然、君たちの掲げる『理念』の価値も理解している…方法論には賛同できないが
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