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人形の姫と高校生の鬼
今ある日常-2-
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ート」の様な物がウチの唯一の集合写真だ。

「あ、母さん、明日ちょっと仕事関係で遅くなるから先にご飯食べててね。私は多分会社の付き合いで食事になると思うから」

「了解」

母さんはとある建築会社で事務をしている。大体定時で上がってくるのだが取引先との話し合いとかでたまに帰りが遅くなる事があった。色々負担はあるが、そこは児童扶養手当とか色々駆使しているらしい。

「あ、それと」

「うん?」

「最近、ここら辺で事故・・・・・・いや喧嘩かな?なんかパトカーのサイレンがよく聞こえるんだけど学校で何か聞かない?」

「喧嘩・・・・・・喧嘩が好きそうな教師なら居るけど」

「もうっ、そういう事言わないの。お世話になってるんでしょう?」

うへぇ、なんか数時間前に同じ事誰かに言われた気がするぜ。

「大丈夫だとは思うけど、危ない事だけは止めてね?アナタ結構喧嘩っ早いんだから」

「わかってるよ」

夕飯に出てきた味噌汁を啜りながらそんな会話をしていると

ファンファンファンファン!!とパトカーのサイレンが聞こえてきた。

「あら・・・・・・随分近いわね」

「物騒な世の中になったもんだね」

「・・・・・・そうだ。はい、一鬼これあげる」

母さんは自分の横に置いてあった自分の鞄から何かを取り出し俺に放って寄こした。どうやらキーホルダー・・・・・・というよりストラップ的な物の様だ。白い糸が編みこまれ輪となり金色の鈴が付いている。

「同僚から貰ったの。それ持ってると運が良くなるんだって。なんか良い事起きるかもよ?」

「ふぅん?まぁ貰っておくよ。ただその同僚さんは変な通信販売とかにはまってる訳じゃないよね?」

大体にして運気を上げる〜〜系は眉唾モノが殆どだしこれも布教活動の一部!とか言う人の物だったら速攻捨ててやる。

「多分・・・・・・大丈夫じゃないかしら。まぁ物は試しよ、少し持ってて見なさいな」

ご馳走様、と自分の食器を片付けて台所に持っていく母さんを見ながら

「良い事ねぇ・・・・・・一体何が起こるのやら」

その言葉に応えた様に、ストラップの鈴がチリンと鳴った。


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