暁 〜小説投稿サイト〜
《SWORD ART ONLINE》ファントムバレット〜《殺し屋ピエロ》
とびきりのゲスト
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危ない。

一時的ではあるが、彼は壁に隠れるという自分の行為に身震いした。

「ったく、こっちまでしらけてきた。......頃合いを見てクライマックスといくか」

煙を吹く銃口を上に向けながら独りごちる。目の端では光線銃が青い光を吐き出し、味方が防護フィールドを無効化する距離まで前進したことを暗黙のうちに告げた。もしかすると、これは自分がいなくとも決着がつくかもしれない。

ふとさっきのスナイパーのことを思い出した。

結局やつは味方の加勢を諦め、撤退したらしい。正しい判断だと思う。ロングレンジに特化した能力構成のスナイパーが、ショートレンジに出て来ていいことなど1つもない。せいぜいアイテムドロップの危険性が上昇するだけだ。

理解はしている。だが、この収まりのつかない感情はなんだ? 失望ともまた違う、強いて言うなら裏切られたような寂しさ......

「くっははは、どうかしてるな」

顔の造作も性別も分からない、コンマ数秒殺気を向け合った相手にこれほど執着するなんて。ーーいや、理由は分かっている。自分はあの強い意志の持ち主に自らと同じ物を見い出していたのだ。

この世界で強くなりたい、強くありたい。

そしていつしか現実でもそれを手に入れられると、本気で錯覚している救いようのない心。きっと触れ合えたら、お互いの中の後悔を埋められるような存在に......

......馬鹿な、妄想も大概にしろ。

凄まじい嫌悪感に歯をギリギリと食いしばった。だからはお前はいつまでたってもそうなんだ。他力本願で自分から物事を解決しようとしない。母親の背中に隠れ続ける臆病者、腰抜けだ。

このままでは終われない。あの子に許してもらうまではーー

第六感的な何かに電流が走ったのはちょうどその時だった。

立ち上がり、敵がこもっている廃墟とは反対方向に目を向ける。すると瓦礫の合間を縫うようにして駆ける影を視覚に捉えた。ついでにスカイブルーの髪と華奢な体躯も垣間見たメイソンは、少し虚を突かれた思いで呟いた。

「女?」

《ガンゲイル・オンライン》に女性のプレイヤーが皆無という訳ではないが、レアアイテム級に珍しいことは確かだ。特にこんな戦場となれば尚更である。しかし、メイソンはその無駄のない体捌きに相当なベテランだという印象を受けた。

何者だ?

再び戦闘時のそれにシフトした頭を回転させる。敵か味方か、落ちたアイテム狙いのハイエナか、現状で判断する材料は乏しい。ならばステージから退場してもらったほうが確実だ。

目と鼻の先30メートル。そこまで接近されたところで味方も彼女に気がついたようだ。青い光線が3本、行く手を遮るように迸る。が、半ば予期していた通りその女はーーいや、その少女は攻撃を全弾回避して見
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