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とある星の力を使いし者
第140話
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のボックスで大丈夫ですか?
 あと、写真の枚数とかサイズの指定とかってあるんですか?」

「いえいえ。
 そんなにお堅いものではなく手ですね。
 これはペヤ契約ですので、登録に当たって『このお二方はペアである』事を証明して欲しいだけなんです。
 今ならペアの写真立て型の充電器(クレイドル)を用意するのでそちらにも使用させていただきます。
 四社共通の規格のものですので、形式番号は気にせずにご利用できますよ。」

と、ニコニコ笑顔を浮かべてそう言った。
ぶっ!?、と美琴は危うく噴き出しかけた。

「つ、つーしょっと?」

「あら、そういうのはあまりやられませんか?
 なら、この機会にぜひいかがでしょう。
 登録完了の二〇分前に写真をお渡ししていただければ結構ですので、待ち時間などを利用して撮影していただけると助かります。」

そんなこんなでいっぱいある書類にボールペンを走らせると、麻生と美琴は一度サービス店の外へ出た。
問題の写真撮影である。
麻生は能力でデジカメを創り、システムを弄りながら言う。

「デジカメは俺が用意したから、問題ないぞ。」

「え?ええ、まぁ、あ、ありがとう。」

どこか上の空な感じの美琴の状態に気がついた麻生は、デジカメから美琴に視線を変え尋ねる。

「おい、大丈夫か?
 何だか上の空な感じがしたが。」

「え?・・・・だ、大丈夫よ!
 ええ、大丈夫!
 大丈夫ったら大丈夫よ!!」

さっきから大丈夫しか言っていない美琴に対して少し不安に思いながら、麻生は腕を伸ばしてデジカメを自分達に向ける。

「んじゃあ、撮るぞ・・・・おい。」

「な、何よ。」

うろたえた声を出す美琴に、麻生は疲れたような表情を浮かべる。
いつの間にか、美琴が若干遠くにいる。
美琴の逃げ腰な様子を見た麻生は、ため息を吐きながら言った。

「自分からこのペア契約をすると言ったな?」

「わ、分かっているわよ!!」

実は美琴の顔はちょっと、というかかなり赤くなって学生鞄を握る両手がそわそわと動いていたのだが、麻生には好意的に映らなかったようだ。
美琴は麻生に近づくか離れるかを逡巡した後、やがてヤケクソ気味に言う。

「待ってなさいよゲコ太!!」

ぐいっと麻生の肩にぶつかるように、彼女は一息で急接近した。
肩と肩を擦り、美琴は首をわずかに傾げて、麻生の肩に頭を置いた。
デジカメの画面の中にキチンと二人の顔が収まる。
美琴が近づいたので髪の匂いなどが感じられたが、麻生は全く興味がないらしく冷静に対処する。

「それじゃあ、撮るぞ。」

「オッケー、いつでもきやがれ!!」

パシャ、という電子音と共にフラッシュが放たれ、シャッターが切られる。

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