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第二十四話 天照
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という事実。それはこれらの武装の容量が大きすぎるということだ。
その大部分を占めるのがこの天叢雲剣だった。この武装は、名称こそ一つだが、実は無数のデータによって構成されているものを総じて呼ぶ。そのデータとは、その形状や長さなどだ。それを、高速で切り替えることであたかも伸縮変化をしているように扱うことができるのだ。
今回、紫苑は1mという状態をあらかじめ見せておき、爆風により姿が見えなくなった状態で薙ぎ払いのモーションを行いながら瞬時に最長形状に切り替えた。通常はこれだけの長さの得物を扱うのは困難だが、事前に予備動作をとっておき、相手に到達する前後だけにとどめておけば不可能ではない。
勝ちを確信した瞬間に受けた一撃。それはセシリアの心を折るには十分だった。
紫苑はすぐさまブーストにより距離を詰め、剣を突きつける。シールドエネルギーはまだ残っているが、出せる手札を全て出し、自身の限界以上を出し切ってなお届かなかった相手に、今のセシリアには抗う術はなかった。唯一の近接武器を手放した上で接近された今、彼女にもはや勝ち目はない。
『わたくしの……負けですわ』
『そこまで! 勝者、西園寺!』
アリーナ中の歓声は勝者に、その予想外に高度だった戦闘に…そして、それを担ったセシリアに対して惜しみなく送られた。
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