Development
第二十四話 天照
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
相手には掠りもしていない事実。それは攻め手を心理的に追い詰めていく。しかし、攻撃を止めればすかさず接近されて近接戦に持ち込まれる。そうなればセシリアには勝ち目はない。
ならば、挑発紛いのことをしてでも相手の動きに変化を起こさせるしかない。無理に攻めてこようとすれば、それだけ被弾の確率も上がるはず、と彼女は考えた。
しかし……。
『いいえ、そんなつもりは毛頭ありませんよ』
紫苑はタイミングを見計らい、真っ直ぐセシリアに向かってイグニッション・ブーストで接近を試みる。
セシリアにとってもこの無茶な突進は望むところ、すぐさま進行ルートを飲みこむようにスターライトの射線を定め、撃ち放つ。その光は、紫苑の体を文字通り貫いた……しかし、止まらない。
ヴァリアブル・ブーストによる回避は、確かにスターライトの砲撃をすり抜けた……だが。
『予測済みですわよ!』
いつのまにかミサイルタイプのビットを手元に呼び戻していたセシリアは、手動でスターライトと同時に撃ち放っていたのだ。速度差による時間差攻撃は、回避直後の紫苑を捉える。通常なら回避は不可能と思われるタイミングだが、紫苑に微塵も焦りはない。当たり前のように回避行動に入る。
しかし、セシリアはここまでが予測済みだった。
彼女はいつの間にか展開していたショートブレード『インターセプター』をミサイルに向かって投擲、爆破させた。
いかに変幻自在に回避が行えるとはいえ、近距離での爆発を完全に回避するのは難しい。セシリアはそう考え、ここまで引き込んだ。そして、この機に決めるべく爆発地点をビットで囲み一斉射撃を試みる。既に狙いは事前に設定していたこともあり、この条件下ならスターライトとの同時攻撃も可能になった。
爆風の中から紫苑の姿が出てこない、それはつまり突進を止めれたということ。セシリアと爆心地まではまだ距離がある、故に次の総攻撃を防ぐ手はない……はずだった。
しかし、セシリアの攻撃より先に爆風の中から一筋の光が現れ彼女を薙ぎ払う。レーザーなどの光線の類ではなく、質量のあるそれはセシリアを弾き飛ばし、試合開始直後と同様に障壁に衝突させた。
その衝撃で、スターライトによる射撃は明後日の方角へ飛び、ビットもコントロールを失い攻撃は失敗に終わる。
セシリアと爆心地までとは15m近くの距離があった。しかし、その距離をもって彼女を薙ぎ払ったのは間違いなく天照の武装、天叢雲剣だった。
これがファーストシフトとともに齎された新たな力、天叢雲剣による変幻切替だ。
そもそも月読の頃からではあるがプリセットの武装が、使えなかった武装を含めても三つしか内蔵されておらず、それでいてバススロットにも全く空きがなく、武装が追加できない
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ