暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜妖精郷と魔法の歌劇〜
蠢く闇 the road of future
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ソがァ────!』

意味を成さない言葉の羅列。

どう控えめに見ても、正常な状態であるとはとても思い難かった。

それを二人の人影は静かに見、顔を見合わせて頷いた。

女性が再度右耳を押さえ、短い言葉を放つ。

狛狗(こまいぬ)1から狛狗4、目標を確保せよ」

次の瞬間、男の周りに四人の男が出現していた。

瞬間移動というわけではない。その四人は、ナトリウム灯の支柱の影からゴーストのように現れ、音もなく男を取り囲んだだけなのだ。

しかし、その動きがあまりに洗練され過ぎていて、呼吸が合わされ過ぎていて、人の感覚器官で捕らえられる速度域内での知覚ができなかったのだ。

出現した男達の格好は、一言で表すとどこかの特殊部隊のようだった。漆黒の装甲服に、頭をスッポリと覆う同色のマスク。スキーヤーのような分厚いゴーグルで目元まで完璧に隠した徹底ぶりを見せている。

男達は、たちまちのうちにその異常な男の腕を捩じ上げ、地に伏せさせた。

冷たくなったアスファルトに顔をこすり付けているスーツ姿の男は、もはや理解不能な言語をつばとともにわめき散らす。完全に錯乱状態だ。

ソレに静かに歩み寄った男は、傍らの女性にアイコンタクトを送る。

頷いた女性は、静かに言う。

「狛狗5、HLO366、TRW543を注入」

それに応えたのは、いつの間にか出現していた五人目の黒づくめだった。

装甲服の懐から出した二つの試験管の中身の液体を、注射を使って吸い取る。そして、地に伏せる男の首元に容赦なく突き刺した。

薬液が完全に注入されるとほぼ同時、ガクン、と男の首から力が抜けた。

数秒後、首を振りながら眼を覚ました男の口調からは、狂気の色合いが失われていた。

軽く周囲を見回し、自分を見下ろす二人組────正しくは男の方を見、顔面一杯に驚愕の表情を浮かべた。

「お前…は、小日向……相馬………?なぜ……こんなところに………」

「何故かと問われれば、それはアナタのためですよ。須郷伸之」

「僕の……ため?」

困惑そうに眉根を寄せる須郷伸之と呼ばれた男に、小日向相馬と呼ばれた男ははい、とにこやかに答えた。

しかし、その笑顔を須郷伸之という男は素直に恐い、と思った。

恐くて怖い。

そう、思った。

「要するに、アナタは《世界の闇》に入り込み過ぎたという事です」

「世界の………闇?」

「えぇ、この世界の裏社会、とでも言うのでしょうか。まぁともかく、アナタのしている研究(こと)をよく思わない人達がいるということですよ」

「な………」

絶句した。

世界の闇、というその言葉にも大いに興味を引かれたのだがそれより、そんなことで今こうして自分が地べたに這
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