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孤高の反逆因子
孤高の反逆分子
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「暑い………」

少年の口からそんな言葉が発せられる
ちらりと部屋の隅に置かれた温度計を眺めてみる
41度そんな数字を無情にも温度計は表示していた

「ふざけんな、なんだこの温度。俺を溶かす気かよ!」

外を窓から眺めてみると陽炎がコンクリートの道路を霧のように覆っていた

「暑い………」

もう一度少年は同じ言葉をつぶやいた
だがそんなことで温度という物理現象が変化するはずもなく容赦ない太陽光が少年の黒髪をチリチリと熱していた。
5畳半のアパートの一室は亜熱帯と化していた
ちらっと時計を見る
12時30分

「なんか作るか」

ぼそっと呟き少年は昼ご飯を作るためごそごそと動き出した
冷蔵庫を開けて中を確認する

「冷やし中華でも作るか」

少年はぼさぼさにはねている黒髪をがりがりと掻き毟りながら冷蔵庫をあさり始めた

20分後、少年の前には氷によってキンキンに冷やされた冷やし中華が置かれていた

「いただきます」

律儀に箸を持って手を合わせながら少年はいつもの言葉をぼそっと言った

15分後少年の前の冷やし中華は跡形もなく食べつくされていた

「ふー食った食った」

少年は満足げに冷やし中華の入っていた皿を台所まで歩いて行って洗い始めた

「………暑い」

冷やし中華を食べた後少年はしばらくその場で読書をしていた
しかしあまりの暑さについに本を閉じてから
「外にでも出るか」
と言って45度を超えた自室の扉を自らあけて外に出て行った


「おーい、サキいるかー」

少年は自らが暮らしている「稲城荘」の一室215番の部屋の扉をたたいた
このおんぼろアパートにはインターホンというものが存在しない
どうも今のオーナーが長屋というものに憧れていたらしくインターホンという曖昧なものを嫌い部屋に入る前に必ずノックをすることをアパートの住民全員に強制させることになったらしい

「おーい、サキー、いないのか勝手に入るぞ」

ノックしても返事がせず外のあまりの暑さに耐えられなくなった少年は勝手に部屋に入ることにした

部屋の中にはベットの中に眠る一人の少女がいた

年齢は少年と同じぐらいで16歳ぐらいだろうか、閉じられた二つの瞳は整った顔をより引き立てていた、幸せそうに寝ている横顔もまた可愛らしいと言えるだろう
少年は少女の幸せそうな寝顔を見つめながら無造作に

「フンッ」

布団をひっくり返した

「ギャフ」

少女の口から女の子とは思えない悲痛な声が漏れる
少女は布団から転げ落ちた後周りをきょろきょろ見回して少年の姿を見つけると細い目を一層鋭くして

「何すんのよ!」

と少年を怒鳴りつけた

「なんだよ、てめえが起きるの
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