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迷子の果てに何を見る
第十話
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の暴走は止まり倒れそうになるのを抱きとめる。そしてシンを再び封印するとちょうどエヴァが目を覚ました。

「...........................レイト」

「そうだ、エヴァ」

「......夢なのか」

「そんな訳あるかよ」

「レイト、私はお前のことが好きだ。傍に居てくれ」

ぼろぼろと涙をこぼしながらエヴァがオレに縋り付く。
残酷だとは思うがオレは事実を述べる。

「すまないエヴァ。オレは世界に嫌われたようだ。もうじきオレはこの世界から弾き飛ばされる」

「そんな、嫌だ。やっとお前に見てもらえたのに、やっと気持ちを伝えられたのに」

だんだんと弾き飛ばされる力が強くなるのを感じる。持って後数分だろう。だからオレも気持ちを伝える。

「エヴァ、オレもお前を傍に置いておきたい。だが、今のオレでは世界そのものには勝てない。だから待っていて欲しい。オレは必ず戻ってくる。その証として」

影の中から一つの弾丸を取り出し足下に叩き付ける。叩き付けられた弾丸を中心に陣が広がる。

「これは......本契約の、いや少し違う」

「これはオレが作った新しい契約の陣だ。オレとエヴァ、どっちが上でどっちが下なんて関係が嫌だったから対等な関係を結ぶ為だけに作った専用の契約陣だ」

「レイトと私だけの」

「基本は本契約と一緒だがな。それでもいいか」

「ああ」

そしてゆっくりとオレとエヴァはキスを交わす。そして陣が輝き2枚のカードが現れる。
一枚にはいつも通りのオレの絵が、もう一枚には一冊の本を持ったエヴァが。
それらを素早くコピーし、一枚ずつ持つ。
そして限界が近づいて来た。
オレの体がゆっくりと透けてきた。

「そろそろ時間のようだ」

「そうか」

「エヴァ、寂しいだろうが待っていてくれ」

「わかったよ」

「必ず、必ずここに戻ってくる。だから」

「ああ、私は不死だからな。いつまででも待っていてやる。でもな、出来るだけ早く帰って来てくれ。でないと私は死んでしまうかも知れん」

「そうだな、今回のことで意外と寂しがり屋だって分かったからな」

「笑うっ」

怒鳴ろうとするエヴァの口に再度キスをする。

「行ってきます、オレのエヴァ」

「......今度会う時はキティと呼べ」

照れながらもエヴァの方からキスをしてくれた。

「分かったよ」

そしてオレは完全にこの世界から消えた。

「早く帰って来いよ」


side out

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