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迷子の果てに何を見る
第十話
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第十話 本契約


side シン

唐突に儂は呼び起こされた。
起こされると同時に頭の中に情報が叩き込まれる。

『今更儂に何の用じゃ』

『目の前の彼女を救う為に力が必要だっただけだ』

儂の力が必要だとは思えなかった。
儂よりも確実な力をこいつは手に入れているからだ。
だが、情報の中にそいつがこの世界に居ないことが分かった。
だからこそ儂を起こしたのだろう。

『どうなっても知らんぞ』

『完全に消し飛ばしたりしないなら好きにして構わん。ただし接近戦のみだ』

その言葉に儂は歓喜した。
久しぶりに暴れられるのだから。
そして儂は目の前の女に襲いかかった。


side out




side レイト

体をシンに明け渡しオレは森羅万象の操作に集中する。
まずは接近戦で凍らない様に周りの熱をかき集め身に纏う。
元からシンの体は人間の体より頑丈で色々な環境にも適しているのでそれほど苦労は無い。
次にベクトルの操作。
これは単純に真の体が発するベクトルを2倍にするだけ。
これもたいした苦労は無い。
ここからが本番である。
エヴァの体と接触するたびに彼女の今の状況を理解していく。
体力や魔力量、浸食率や肉体の損耗率、そして精神と肉体に融合している精霊。

(厄介だな、まるで癌の様に浸食していってやがる)

『闇の魔法』で取り込んだ魔法の精霊たちがエヴァの魔力を取り込み勝手に増殖していくのを理解していく。精霊をどうすれば良いのかを次々と理解していく。理解しなければ操作することが出来ないから。理解して把握して解釈して解析してそれらを呑み込み取り込んでいく。
一つオレは失敗をした。精霊なんて物は理解できるはずが無いのにオレはそれを理解してしまった。
そしてこの世界から弾き出される感覚に陥る。この世界に来た時と同じ感覚に。

(おいおいまさか『根源』に至ったのか。不味い、今ここで弾かれたらエヴァは確実に壊れる)

そんなこと認めない。
エヴァが壊れること等オレが絶対に認めない。

『シン、エヴァに組み付け』

『なぜじゃ』

『オレのミスでこの世界から弾き飛ばされる。その前にエヴァを救いたいが時間がない』

『ことわ』

『言うことを聞け』

根源に至った為か一瞬でシンを理解し少し分解する。

『貴様、儂を理解したのか』

『時間がない、今だけでも良いから言うことを聞け』

『............分かった』

渋々ながらもシンは答えてくれエヴァに組み付いてくれた。
オレは他の全ての操作を止め、一気にエヴァと精霊のつながりを剥がして捨て去る。
そうするとエヴァ
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