第九話
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の上だった。
この身は既に吸血鬼。魔のものだ。
これ以上人に忌み嫌われようがレイトが手に入るなら何の問題も無かった。
その為に私は万全を期した。
敵弾吸収陣をあらかじめ用意しこおるせかいで覆う。
さらに何人かの生徒を凍り付けにしこの場で戦う様に。
接近戦で倒されることの無い様にこおるせかいをあらかじめ取り込み、幻術でいつもの姿を見せる。
そしてレイトは雷の暴風を使って来た。
これを取り込めばあいつを超えるだけの力を手に入れることが出来る。
あいつの雷の暴風を取り込んだ瞬間、私の意識は落ちた。
side out
side レイト
オレの雷の暴風をエヴァが取り込んだ。
理論上なら雷系を取り込んだ場合機動性が上がるはず。
これから来るであろう攻撃に備えて防御を固めるがエヴァは一向に動きを見せない。
不振に思ったが答えはすぐに分かった。
「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」
エヴァが落ちてしまったのだと。
そしてエヴァが動き出した。
その動きはとてつもなく速く、ぎりぎり捉えられるか捉えられないかの速度。しかしそこにはエヴァの優雅さは無く、ただ獣が暴れているだけだった。
しかし一番の問題は攻撃されるたびに凍ることだ。
直接触れられない様に魔力を体中に纏っているが確実に少しずつ凍っていき動きが鈍くなるのが分かる。
咸卦法が使えれば何とかなるだろうがそれを使わせてもらえない。
そして、とうとうエヴァの腕がオレを貫いた。
「がはっ」
吐血するが貫かれた部分からは血が流れない。体の内側から凍っているからだ。完全に凍らない様にレジストするがこれ以上氷系の魔法を取り込まれたらアウトだ。
「リク・ラク・ラ・ラック・ライラック」
最悪だ。理性が無いのに知性は残ってやがった。
「来れ氷せ......」
急に詠唱が止まり、腕を引き抜き頭を抱える。
オレは一度距離を取り治療と解凍を無理矢理行う。
「いやだ、わたしは、見てくれ......一人は、傍に。......レイト、殺したくない」
苦しげにエヴァが言葉を吐き出していく。
「好きなんだ。傍に居てくれ」
その言葉にオレは絶句した。
オレはエヴァを強い女性だと思っていた。
だから一人にしていても大丈夫だと思い込んでいた。
だが、今ここにいる彼女は一人の、か弱い少女だ。
そして彼女をここまで追い込んだのはオレ自身だった。
それが許せなかった。
エヴァは今必死で闇に完全に落ちるのを抗っている。
オレが好きで傍にいて欲しくて見捨てられたくなくて。
だからオレは本気を出す。
エヴァを救う為に
「
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