第四話
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」
「ちょっとした呪いだよ。仕掛けるのに時間が掛かるけどああいう正義バカに地獄を見せるには一番の呪いだよ」
顔色一つ変えずに言うレイトに私は恐怖したがそれもすぐに晴れた。
「一体どんな呪いなんだ」
「降霊術の一種で怨みを持つ霊を幻視させて幻聴させる簡単なものだよ」
確かにそれは正義バカどもには十分な効果を発揮するだろう。
正義を語って殺したものに悩まされるのだから。
「よし完成。迷える魂たちに一縷の奇跡を」
レイトの詠唱が済むと同時に後ろの方から悲鳴や怒声や魔法が放たれる音が聞こえてくる。
そんな中、一人だけこちらを追ってくる者がいた。
side out
side ???
急に霊が見えたときはびっくりしたが実体を持っていたりする訳ではないので無視して闇の福音とその盟友の男を追いかける。すると何を思ったのか男が木から降りて来た。僕は油断すること無く剣を構える。
「なかなか良い根性をしている。名前を聞かせてもらっても良いかな」
「人の名前を尋ねるときはまずは自分から名乗るのがマナーでしょ」
男が最初にしていた挑発をそっくりそのまま返す。
「ははは、一本取られたな」
闇の福音が面白そうに木の上から笑っていた。
「いやぁ〜、失敗失敗」
男が少し恥ずかしそうに頭をかく。
「オレの名前はレイト・テンリュウだ。これで君の名前を聞かせてもらえるかな」
「......ラークです」
「ふむ、ラークか。それでラークはなぜオレたちを狙うのかな」
「オレたちが正義で吸血鬼は悪だからだ」
「本気でそう思っているのかい」
「そう思って何が悪い」
「ならなぜ吸血鬼は悪なんだい」
「吸血鬼は人を襲って血を吸うからだ」
「少し話を変えよう。君は肉は好きかい」
「何の意味がある」
「良いから答えて」
さっきまでと全く同じはずなのに僕にはこれを黙秘するという選択肢が思いつかなかった。
「好きだが」
「なら君も立派な悪だ」
意味が分からない。肉が好きと答えただけで悪だと断言されてしまった。反論しようとしたがその前にレイトが続きを話し始める。
「肉が好きということは肉を食べている。それは生きる為に必要なことだ。これは分かるかい」
「ああ」
「肉を食べるということは動物を殺すということだ。これは悪なのか」
「生きる為に必要なんだからそんな訳無いだろうが」
「なら吸血鬼は悪ではなくなる。なんせ生きる為に必要なんだから」
「吸血鬼は化
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