第一話
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これしか考えつかなかった。
世界中を旅した事のあるオレとしては、どうやらここは異世界である事が確定した。
なら、あの魔女とはなんとしても接触を図りたい。
しかしどうやる。
「これより、神の名において異端審問会を執り行う」
神の名においてと発言するという事は神官なのだろう。
その男が平気で暴力を振るっている事に腹が立ち、更に周りを囲んでいる村人も石を投げつけているのに対して苛立った。
「静まれ」
殺意を込めて大声を上げる。
一瞬にして誰もが動けなくなる。
「何ですか貴方は」
神官らしき男がオレに問いかけて来た。
「私は神の使いの者だ」
すらすらと嘘をつく。
どうやらこの国は神官どもが権力を握っているのだろう。
ならばそこを突く。
「何を馬鹿なことを言っている。皆の者そこの者を捉えよ」
一斉に村人が寄ってくる。
「すまない」
小声で謝罪し体に触れた者達の命を根こそぎ奪う。
一瞬にして六人の村人が死んだ。
その様子に村人は恐怖した。
「彼の者達は天に召され、神の元で裁きをうけるだろう。そして、神の名を偽り我らが同胞を傷付けようとした全員を神の元へと送ろう」
途端、金髪の少女と人形以外全員が逃げ出した。
それを見送った後、少女と人形の縄をナイフで切る。
「大丈夫か」
「貴様は何者だ」
「オレか、オレは哀れな迷子だよ」
こうしてオレはこの世界で最も長い付き合いになる少女と出会った。
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