第八十五話 我劣らじと
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にそんな事を問われるのが苛立たしい。クラウは軍属と技術屋の両方に所属していたが(というより軍属の技術者と言った所である)、奴はそうではない。テストパイロットだろうが何であろうが、遠くから覗いて自分の都合のいい部分だけで解釈しているかのようでマーレにとっては煩わしく感じる。そして何より――――感情的なものでしかないが気に入らない。理由はそれだけあれば十分だと、そんな風に思う。
『そうか……なら仕方ない。マーレ・ストロード、お前達ミネルバの英雄を止めてこの戦争を少しでも早く終わらせる!』
『気に入らねぇな、テメエがシンの奴等と似たような機体に乗って、そんな下らねえこと語ってんじゃねえぞ!』
エクスカリバーを構え、光の翼によって残像を描きながら接敵するデスティニーインパルス。莫大なエネルギーの消費がされるが、コートニーは相手が優秀なパイロットであることをそれなりに理解している。そんな相手にエネルギー効率の悪いデスティニーインパルスで様子見などするわけにはいかないと判断して速攻を仕掛けた。
更に言えば本来、デスティニーインパルスは光の翼の展開にはリスクを伴うのだが、コートニーはOS面などでの修正によってごく短時間の展開を可能としていた。
『その程度で……こっちが見失うとでも思ってんのかッ!』
エクスカリバーの振り下ろしを後ろに下がってビームシールドで受け流すように防ぐ。一方で攻撃を躱されたコートニーも焦りはしない。そのまま流れるような動作でエクスカリバーを左手だけで持ち、空いた右手で左腕に取り付けられたビームブーメランを引き抜いて投げつけた。
『しゃらくせえッ!!』
そのビームブーメランを躱して、RFゲルググはそのままビームライフルをデスティニーインパルスに向けて連射する。その攻撃を躱しつつ、エクスカリバーを一度背面に戻し、ビームライフルを構えて同様に連射し返してきた。更に、コートニーはデスティニーインパルスのもう一方の右腕に残っているビームブーメランを取り出して投げつける。
続けるようにテレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔で狙いを定めて追撃に移る構えを取る。ビームブーメランを一度躱し、デスティニーインパルスの動きを見たマーレは逆に好機ではないかと考える。
(その攻撃を躱した所で一気に叩き潰して――――ッ!?)
隙の大きいであろう収束ビーム砲での攻撃を躱せば落とせる。そう判断して接近するために動こうとしたのだが、マーレはその寸前に直感めいたものでそれを取りやめてビームシールドを展開しながら避ける動作に入った。
――――次の瞬間、収束ビームが発射されると同時に先程までマーレが移動しようとした位置にビームブーメランが通り過ぎたのだ。
『読まれたか――――』
『チッ、危ねえ……性質
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