第八十五話 我劣らじと
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落とそうってか?一々考えが甘いんだよォ!』
射撃で誤射の危険性があるのであれば接近して叩く。当然の帰結だがマーレの言うように甘いと言わざる得ない。敵のゲルググは後ろからマーレのRFゲルググを追いかけつつ、ナギナタを回転させながら振り下ろしたが、マーレは艦の表面に滑りながら着地する様に足を置くことで急激に移動の勢いを落とす。
そして、削いだ勢いのまま後ろに振り返り、迫ってきたゲルググに対して逆にビームシールドを剣のように展開することで、槍のようにコックピットに向かって突き刺した。そのままコックピットを貫かれたゲルググをマーレのゲルググは空いている左手で掴み艦に叩き付ける。
『こいつでどうだッ!』
艦を地面がわりにして跳躍する様に反作用を利用して離れ、それと同時に艦に叩き付けられたゲルググにビームを浴びせる。そして、撃ち抜かれたゲルググは爆発を起こして敵艦を巻き込んだ。艦は明らかに損傷しており、この調子であれば撃沈は容易いとマーレは判断する。しかし、一機の敵によってそのまま仕掛けようとした追撃を止められた。
『オレ達も艦を落とされるわけにはいかない。止めさせてもらう』
『青いデスティニー……いや、インパルスか?』
マーレの追撃を遮ったのは青紫色のデスティニーインパルス三号機だった。インパルスの万能性を高めるために造られた機体であり、その性能は本来のデスティニーに迫るほどのものである。
欠点としてエネルギーにハイパーデュートリオンエンジンを使用していないというものがあるが、単純なスペックだけならばザフトのトップクラスの機体の一機だろう。とはいえ、そのエネルギーの消費量は出力の消費が全体的に上がっているアスランのセイバーすらも上回るという事から推して知るべきだ。
『残念ながら、これは最早インパルスではない。マーレ・ストロード、お前の噂は聞いている。ナチュラル嫌いであるという事も含めてだ――――その上で聞きたい。何故、これ以上戦禍を広げようとする。今、ここでオレ達コーディネーター同士の人間が撃ち合う。それが不毛だと感じないのか?』
デスティニーインパルスのパイロット、コートニー・ヒエロニムスは敵であるマーレに対して疑念を問いかける。確かに、こうやって内輪揉めのような戦闘を行うのは非常に不合理的なものだ。MS開発者関係者でありパイロットでもあるコートニーにとっては元とはいえ味方を撃つことに対して疑念を持つのは当然と言えた。だからこそ、同じエースパイロットと言えるマーレにその自分が思っている疑念を問いかけたのだ。
『……お前馬鹿か?不毛か否かで戦争が終わるっていうならとっくに世の中戦争なんざなくなってるだろうが』
それに対してマーレは鬱陶し気にコートニーの問いかけをバッサリと切り捨てる。軍人でもない技術屋風情
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