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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-11
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チに3人、人が座っていた。一夏は、その中の二人には見覚えがあった。一人は、御袰衣蓮。一夏と同じISを操縦できる男。自分の次に見つかったと一夏自身は思っているのだが、それは違う。真実は蓮が最初に動かしたのだ。それを束が知った。というより、たまたまだったのだ。偶然。


……もう一人は、ISの生みの親である篠ノ之束である。こちらは幼馴染である箒の姉ということもあって接点はあったのだが、どうやら嫌われているようだ。決して、こちらから話しかけないと話をしてくれない。まあ、良く分からない人だからそれでいいのかもしれない。
それで最後の3人目が問題なのだ。一体誰なのだろうか。
水色の髪が外側に跳ねて活発な印象を与える。それに出るところは出ている。容姿端麗。思わず、一夏は見惚れていた。一瞬にして胸がきゅっと締め付けられるような感じがする。彼女だけを見ていたい。彼女のあたりだけが鮮明に見え、きらきらと輝いているように見え、その他は、霞みかかったようにぼやけて見えない。胸の鼓動が早くなるのが分かる。


今はまだ会わない方がいい。どこか本能的にそう思った一夏は、来たところを音を立てない様にまた戻って行った。どうして束がここにいるだとか。あの人たちの関係は一体何なのかとか、そんなことはどうでもよかった。初めて見た彼女の笑顔を瞳に焼き付けて、どこか上の空で歩いていく。


      ◯


「そういえば、束さんの左手薬指の指輪は?」
「んふふー。これはれんくんとの婚約指輪なのだよっ!」
「……そんなわけないだろ。ただ束が何か形になる物がほしいって言ったから、名前と一緒に上げただけじゃねえか。まあ、俺はこんな感じにネックレスにしてるけどな」
「それってあの時の……? って、あー!! 裏側に名前が彫ってあるっ。ローマ字でTabane shinonono。いいなあー私もほしいっ!」
「……だってさ、どうする束」
「んー? 別にいいんじゃない? だってこれって親愛の形でしょ? みんなでみんなの名前が彫ってある指輪を身に着けることにしちゃお?」
「そうするか。となると、俺の名前が彫られているやつと束の名前が彫られているやつが一つずつ。楯無……どっちの名前で彫る?」
「んー……じゃあ、刀奈で」
「それなら刀奈のほうの名前が彫られたやつが二つっと……三日だな」
「おっけー! それじゃあ、私はもう行くねっ。ばいばーい!」
「ああ、またな。……よし、戻るか……刀奈」
「さようならー! ……ええっ、戻りましょう?」



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