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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-11
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一人の女性と少女と青年だった。
そして、そんな仲睦まじげにしている三人の様子を屋上へ入るための扉から覗くようにして窺っている人がいた。織斑千冬である。
寮の廊下を走っていく音を聞き逃さなかった。朝早くで日課のトレーニングをするためでもあったが、その準備をしているときに誰かが廊下を走っていくのだ。まだ朝早いので怒鳴り散らすわけにもいかないため、こうして屋上まで足を運んだのだが……。
まさか、束がいるとは思わなかった。いや、蓮に対しての感情については今はいい。昔からそんな気がしていたのだ。だが、それでは今そこに束がいる理由の説明にならない。
出て行こうとも悩んだのだが、どうもいい雰囲気を出しているあの中に入っていく勇気が千冬にはなかった。千冬とて一人の女性。恋愛には興味があるが、どうも自分の丈に見合う人がいない。やはりブリュンヒルデになんかなったから、お高く感じてしまうのかもしれない。しかも、今はIS学園の教師である。男のおの字もないこの職場でどうやってそういう恋愛沙汰になるのか。……そんなもの決まりきっている。
目の前でいちゃついている御袰衣蓮か織斑一夏しかないのだ。一夏は、実の弟。男として見られるわけがない。ただ心配ではあるが。
一夏といえば、束は一夏を毛嫌いしていた。いっくんとなんだか良く分からないあだ名で呼んではいるが、束から一夏に話しかけることはなかった。どちらかといえば、一夏から束に話しかけた時が多いのではないのだろうか。
千冬は、束が一夏に話しかけたところを見たことがない。
千冬は、心の中に一つの考えが浮かんだが、それを押し込めた。なぜなら、それはあまりにもばかげているもので現実味のないことだったからだ。だが、もしこれが現実となってしまえば大変なことである。
そう、絶対にあってはならないことなのだ。篠ノ之束とその束からIS訓練を受けてきた御袰衣蓮の敵対化なんて。
俯いて考えていたが、考えるのを一旦やめると顔を上げる。相変わらず、あいつらはくっ付いて朝焼けを見ている。そんな姿に小さな痛みが心に走るのを実感するも気のせいと思い、屋上に入っていくことなく階段を下っていった。
◯
織斑一夏は、無自覚のシスコンである。理由としてあげるとするのであれば、やはりクラス代表戦の時にセシリアと戦っているときに大声で言い放った言葉だろう。
『俺は……俺は最高の姉を持ったよっ!』
そう言い放って、
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して使えるようになった織斑千冬が現役時代に使っていた唯一の武装と同じ、雪片。その後継といってもいいのだろうか。一夏のISが唯一持てる武装雪片弐型。さらには、まだ
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