第6話:ハイジャック事件−6
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を浮かべて言葉を切る。
『ゲオルグ、今いいか?』
画面の中に現れたのはクロノであった。
「会議中なんですが・・・まあ、いいですよ」
ゲオルグが一瞬眉間にしわを寄せてから答えると、
クロノは小さく頷いて話を始める。
『そうか、すまんな。 すぐ終わるから先に話させてくれ。
実は、先ほど捜査部から連絡が入ってね。
ハイジャック事件の捜査を引き継げる態勢が整ったそうだ。
だから、君のところでの先行捜査は打ち切って捜査部に引き継いでくれ』
クロノが必要なことだけを淡々と告げると、ゲオルグは不満げに口を尖らせる。
「・・・ずいぶん早かったですね。 こんなに早く態勢を整えられるなら
はじめから引き取って欲しかったんですが」
ゲオルグが低い声で言うと、クロノは苦笑しながらゲオルグをなだめにかかる。
『僕に言われてもね。 まあ、君の言うことも理解できるが
捜査部にも事情があったんだろうから、僕に免じてここは抑えてくれよ。
僕のほうから捜査部にも一言言っておくから』
「別に捜査部に文句を言うつもりはハナからないですよ。
ちょっと、クロノさんに文句を言いたかっただけですから。
それはともかく、引継ぎの件は了解です。
文書で報告書を上げればいいんですよね?」
前半は意地の悪い笑顔を浮かべて、後半はまじめな表情でゲオルグが言うと、
クロノは首を横に振った。
『いや、明後日に容疑者を移送するから、
それに合わせて直接話がしたいというのが捜査部の意向だ』
クロノの言葉に対してゲオルグはため息で応じる。
「そうですか。 では、ティアナを行かせます」
『それでいい。 他に何かあるか?』
「ティアナはこのままウチに居続けですか?」
『いや。 短期間とはいえこちらでやってもらっていたことの引継ぎもあるから
一旦こちらに戻してくれ』
「了解です。 それでは」
ゲオルグはそう言って通信を切ると、ティアナのほうを振り返った。
「と、いうことだ。 ティアナはここまでの捜査内容を報告書にまとめてくれ。
明日の午前中には俺がチェックできるようにな」
「了解です」
ティアナがうなずきながら答えると、次いでゲオルグはステラのほうに向き直る。
「あと、ステラさんは銃の解析結果をまとめてティアナに渡しておいてください」
「了解した。 実物も捜査部に渡すのか?」
「そのつもりですけど、何か問題がありますか?」
「いや、単なる技術者としての興味だけだよ」
「ステラさんの希望にはこたえて差し上げたいところですけど、
難しいでしょうね。 あれだけの犯罪の物証ですから」
「だろうな。 まあ、いい。 では
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