第6話:ハイジャック事件−6
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、そうなの・・・ゴメン・・・」
恨めしげなスバルの目に気おされたのか、ティアナはスバルに頭を下げる。
が、すぐに我に返りもとの調子を取り戻す。
「って、んなことどうでもいいのよ。 いいから昨夜何があったのか教えなさい!」
ティアナの言葉にスバルは不満げに口を尖らせる。
「そんなことって言い方ないじゃん・・・。ま、いいけどさ。
で、昨夜何があったか、だっけ? でも、ティアも知ってるでしょ?
昨夜はずっと一緒だったんだし」
スバルがそう言うと、ティアナは少し弱気な表情になる。
「そ、そうだけど・・・飲みすぎたせいか、ぜんぜん覚えてないのよ。
そもそも、なんでアンタがここで寝てんのよ?」
「えーっ!? それも覚えてないの!?」
スバルは大きな声でそう言うと、居酒屋を出たあとのことを話し始めた。
「ティアってば、昨日はだいぶ酔ってたみたいだから心配で、
あたしがここまでティアを送ってきたんだよ。
で、あたしが帰ろうとしたら、ティアが泊まっていけって言うから
泊まったんじゃん」
「そうだったの・・・。悪かったわね」
さすがにばつが悪いのか、ティアナは肩を落としてスバルに向かって頭を下げる。
だが、最も深刻な問題が解決しておらず、ティアナはさらに言葉をつなぐ。
「じゃあ、なんで下着で寝てたのよ?」
ティアナに尋ねられ、スバルはきょとんとした顔をする。
「なんでって・・・・・制服がしわになっちゃうからだけど・・・・・」
「は!?」
スバルの言葉の意味を掴み損ね、ティアナは素っ頓狂な声を上げる。
「いや、だから・・・急に泊まることになったから着替えもなかったし・・・」
スバルはそう言って部屋の片隅に掛けられた自分の制服を指差す。
「あ、ああ・・・そういうことなの・・・・・」
ティアナは自分の想像が飛躍しすぎていたことに気づかされ、頬を赤く染める。
スバルはその様子を見てニヤリと笑みを浮かべる。
「あっれー? ティアはどんなことがあったと思ってたのかなぁ〜?」
いたずらっ子のような口調で言うスバル。
その言葉にティアナはびくっと肩を震わせる。
「べ、別に何も想像しちゃいないわよ」
「ホントにそうかな〜? 正直に白状しちゃいなよ〜」
なおも追い討ちをかけるスバルの言葉に、ティアナもさすがに苛立つ。
「うっさい! あたしはアンタと違って今日もいつもどおりに出勤しなきゃ
いけないし、バイクだって使えないのよ。
もう出なきゃいけない時間なんだから、さっさと行くわよ!」
ティアナはそう言って、寝ている間着ていたためにしわになった
制服のスカートをはきかえるべく、クローゼットへと向かう
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