暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第二十一話
[4/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ここで死ねない理由があるから、さらに苛烈に攻めていく。二人の剣戟はもはや、常人には見えないレベルへと昇華していった。

「ハハハッ、懐かしいなぁ。PT事件のときもこうだったっけかァ?」
「思い出させるなこのクソ野郎!テメェのせいであの子は、アリシアは!死なずにすんだあの子はッ!」

 そして、懐かしむように語りだす篠宮に激高し、吼える直人。しかし彼は一蹴して続ける。剣をぶつけ合いながらも。しかし、ここに来て篠宮が当初見せていた狂人のような言動が変わっている。まるでこちらが素であるかのように。

「今更ほざくなよ!あの子と一緒にテメェも死んでりゃよかったのさ!レプリカは所詮レプリカでしかなかったろう!?あの母親と一緒に絶望の海へと沈めばよかったんだ!半年近くも人形の兄貴分なんざしてて楽しかったか!?」
「篠宮ァ……今頭の筋何本か切れた音がしよったぞォ……」

 『レプリカ』『人形』その言葉を聴いた瞬間、直人は一旦距離を置くと、剣の切っ先を正面に向けて突進した。それを見て篠宮も、剣を正眼に構えて立ち向かう。同時に駆け出し、一瞬の交錯の後、互いに反転して激突し、つばぜり合いとなる。

「なら言わせてもらうけどな!あの時だって、テメェらがたきつけてプレシアさん担いでジュエルシード集めさせたんやろうが!」
「騙されるあの女が間抜けなのだよ!それを狙っていたのは確かだがな!」

 互いに言葉を、力を、全て叩きつけるようにぶつかりあう。そこに論理性はない。あるのはそんなものなどどうでもいいと思わせるほどの『想い』。憤怒と憎悪が激しく火花を散らす。

「アリシアはまだ、あの時点で完全に死に切ってたわけやない!確かにアルハザードの存在は俺も信じてはなかったけどな、願いを叶える力があるジュエルシードなら、その力だけで仮死状態にあったあの子の生命活動を取り戻すことは充分できたはずなんや!」
「たらればの話は情けねぇぞ!仮死状態にあったなら、なぜさっさと入院させなかったんだ!?あの女に金がなかったとは思えんがな!」

 そもそもなぜ直人とフェイトが知り合ったのか。それはこの年の春頃にここ海鳴で起きた、ジュエルシードと呼ばれるロストロギアによって発生した様々な動植物の暴走事件。それを解決するために動き出したなのはと何度か激突したことでフェイトの境遇を知り、彼自らおせっかいを焼きに行ったのだ。またその事件が、なのはがユーノと出会い、直人と共に魔法を覚えるきっかけでもあった。現在、一般にこの事件は、「ジュエルシード事件」と呼ばれている。

「生体工学を専攻する科学者の中でも筆頭やったプレシアさんですらどうにもならんかったもんを、ミッドの病院ならどうにかできたんか!?」
「そんなことまで俺が知るか!愚か者の想いだとか、力なき想いだとか、そんなも
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ