九 黄塵万丈
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驚きの声を上げる。彼女はサスケしかり音忍しかり、ずば抜けて速いリーの体術を目の当たりにしていた。
だからこそ彼女は、リーを軽くあしらうナルトに驚愕を隠せない。
「それに、どうしてリーさん体術しか使わないの?少しは距離を置いて忍術でも使わないと!」
サクラの言葉に、彼女の隣で試合を眺めていたリーの担当上忍たるガイが答える。
「使わないんじゃない。使えないんだ」
「え?」
「どういうことだってばよ!?」
ガイの不可解な答えを聞いたサクラは訝しげな顔で彼を見上げた。サクラの隣にいた波風ナルもまた、声を荒げて問い質す。
「リーには忍術・幻術のスキルがほとんどない…――だから忍者として生きていくために、リーに残された道は唯一体術しかなかった」
そうぽつぽつと話していたガイは、おもむろに親指を立ててリーに呼び掛けた。
「リー!外せ!!」
「で、でもガイ先生!それはたくさんの大切な人を守る場合じゃないと駄目だって…」
「構わーん!!俺が許す!!」
なにやらリーに許可を下したガイが輝く笑顔で告げる。リー同様、彼の口元から覗く歯がキラーンと光った。
ガイの許可を貰ったリーは、満面の笑みを浮かべて跳躍する。そして闘技場にどどんと鎮座する印を組んだ巨大な手の石像上に飛び乗った。
そしてその場に座り込んだかと思うと、自らの脛当てを取り外し始める。脛当ての下には根性と書かれた重しが装着されていた。
「よ〜し!これで楽に動けるぞ〜!!」
両足首に巻かれた重しを取り外したリーは意気揚々と声を張り上げる。そして無造作に重しを下に投げ落した。
落下する重しは、轟音を立てて会場床を砕いた。落ちた箇所からは砂塵が撒き上がり、重し自体は床にのめり込んでいる。ピシピシと罅割れている闘技場床を見て、観覧席の者達は何れも引き攣った表情を浮かべた。
「行け―――!リーっ!!」
「オッス!!」
唖然とする周囲を気にせずガイが叫ぶ。師の声に応え、リーは石像から跳び降りた。
重しを外したことで、寸前とは比べものにならない速度でナルトの間合いに入ったリーが回し蹴りを放つ。それをすんでの事でかわしたナルトだが、次の瞬間にはリーの姿は消えていた。かと思うとナルトの顔面目掛けて彼は拳を振るう。その拳を捌いてナルトはリーから距離を取ろうと跳躍した。
「甘いですよ!!」
ナルト以上に跳躍したリーが踵落としを放つ。だがその足をナルトは片腕で受け止め、懐から取り出したクナイをリーに投げつける。かろうじてそれを避け、闘技場の壁に足をつけるリー。クナイは闘技場の天井に深く突き刺さった。
再び猛攻撃を仕掛けようとナルト目掛けてリーは突っ込む。しかし、彼は唐突に動きを止めた。訝しげな表情でじっとナルトを見据える。
「…どういうつもり
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