八 写輪眼
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ルトに話し掛けた。
「…ふぅん。君麻呂が辞退した理由は解ったけどよ。ウチはうちはサスケが大蛇丸様の器になれるほどの奴だとは思えねえけどな」
どこか辛そうな様子のサスケは先ほどからずっと首筋を押さえている。その様子を吟味するように見ながら多由也はぼそっと呟いた。
「今チャクラを練り込めば呪印が奴の精神を奪い身体中のチャクラを際限なく引き出すだろーよ。しかも相手はヨロイだぞ?アイツの能力、うちはサスケにとっちゃ最悪じゃねえか」
「それは大蛇丸も百も承知だ。この難局をサスケがどう打開するのかが見物なんだろ」
多由也の言葉に、ナルトは淡々と答える。彼の言葉が終わるや否や、試合開始の合図が下された。
「………それでは始めてください」
試合開始直後、ヨロイは数枚の手裏剣をサスケに投げつける。それをたった一本のクナイで弾き返すサスケ。だが呪印による痛みで彼は体勢を崩し、闘技場の床に倒れ込んだ。その隙を逃さずヨロイがサスケに向かって拳を振り下ろす。それを転がる事で避けたサスケは、クナイを床に突き刺すとソレを軸にヨロイの膝へ蹴りを入れる。
バランスを崩し転倒し掛けるヨロイの腕を瞬時に掴み、関節技を決めるサスケ。
だが完璧に決まったとされる関節技を物ともせず、ヨロイはサスケの胸倉を右腕で掴む。途端、ヨロイの手からじわじわと何かが吸われていくのを感じるサスケ。サスケの力が緩くなり関節技から逃れたヨロイは、未だ床で倒れている彼の頭を右腕で押さえ込んだ。
「お前…俺のチャクラを…っ」
「ふ…今頃気づいたか」
腕から逃れようともがくサスケに向かってヨロイは不敵な笑みを浮かべる。
ヨロイとサスケの戦いを見ていたナルト達は、静かに眼下の戦闘について分析し始めた。
「ヨロイの異端な能力…掌を相手の身体に宛がうだけで精神と身体のエネルギーを吸い出す――チャクラ吸引術。大蛇丸様の狙いは、うちはサスケのチャクラを全てヨロイに吸い出させることでしょうね」
核心を突きながらもナルトにそう尋ねる君麻呂。ナルトは彼の言葉に相槌を打ちながら、サスケに視線を向けた。
チャクラを吸われ窮地に陥っているにも拘らず、サスケの眼からはまだ光は失われていない。そう察したナルトは淡々と自身の推測を口にした。
「ああ。サスケが呪印の力に頼るのを待っているんだろうが…。この試合、大蛇丸の思惑通りにはいかないだろうな」
「どういうことだよ?」
訝しげに眉を顰めた多由也に対して、ナルトは小さく笑みを浮かべた。
「見てればわかるさ」
チャクラ吸引術を使えるのであろう右手を振り翳し、サスケを追い詰めるヨロイ。チャクラを吸われ、辛うじて立っているサスケはその右手を避けることしか出来ない。紙一重で避け続けるが時間の問題である。
その時サス
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