七 陰謀詭計
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きに、多由也がふんと鼻を鳴らす。
「当たり前だろ。ナルトがわざわざあいつらの分まで巻物揃えたんだぞ」
これで『死の森』でのたれ死んでたらただの馬鹿だろ、と蔑んだ眼でドス達を見遣る多由也。彼女の言葉を耳に挟みながらもナルトの視線はずっと、試験官や木ノ葉の下忍担当上忍に交ざっている音の額当てをした男に注がれていた。
「……この第三試験には、我ら忍びに仕事の依頼をすべき諸国の大名や著名の人物が招待客として大勢招かれる。そして各国の隠れ里を持つ大名や忍び頭がお前達の戦いを見ることになる。国力の差が歴然となれば強国には仕事の依頼が殺到する。弱小国と見做されれば逆に依頼は減少する…と同時に隣国各国に対し我が里はこれだけの戦力を育て有しているという脅威、つまり外交的圧力を掛けることも出来る」
火影の言葉に納得出来ない下忍が声を荒げるが、彼はきっぱりと言い放った。
「国の力は里の力。里の力は忍びの力。そして忍びの本当の力とは、命懸けの戦いの中でしか生まれてこぬ!…命を削り戦うことでバランスを保ってきた慣習、これこそが忍びの世界の友好。己の夢と里の威信を懸けた命懸けの戦いなのじゃ!」
話を聞いた下忍達の間に緊張が張り詰める。
ナルト以外に泰然自若な態度をとっていた我愛羅がぼそりと口を開いた。
「なんだっていい…。それより早くその命懸けの試験ってヤツの内容を聞かせろ」
そう話しながら彼は君麻呂に向かって射抜くような眼光を投げつける。我愛羅の殺伐とした雰囲気に全く怯まず、火影は再び語り出した。
「うむ。ではこれより第三の試験の説明をしたいところなのじゃが、実はの……」
火影が言い淀んだ直後、彼の眼前に男が一人現れる。火影に向かって膝をつき頭を垂れるその男は、審判を仰せつかった月光ハヤテ。
第三試験の前に予選をする、と話す彼の顔色は病人と見間違えるほど青白い。ごほごほと咳き込みながらハヤテは予選についての説明を語り出した。
「今回は第一・第二の試験が甘かったせいか…少々人数が残りすぎてしまいましてね。中忍試験規定に則り予選を行い…第三の試験進出者を減らす必要があるんです。先ほどの火影様のお話にもあったように、第三の試験にはたくさんのゲストがいらっしゃいますから…ダラダラと試合は出来ず、時間も限られてくるんですね」
突然試験が一つ増えた事に、目に見えて意気消沈するサクラ。彼女同様沈み込んだり、内心理不尽だと憤る下忍達の顔触れをハヤテは何気なく眺めた。
「え〜…というわけで、体調の優れない方…ごほごほ。これまでの説明で止めたくなった方、今すぐ申し出てください。これからすぐに予選が始まりますので…言い忘れていましたが、これからは個人戦ですからね。自分自身の判断でご自由に手を上げて辞退してください」
予選棄権を促すハヤテの言葉を耳にして、サクラは
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