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渦巻く滄海 紅き空 【上】
七 陰謀詭計
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ブリッジを押し上げた。


(そう…音隠れの里ではね…)














印を組んだ巨大な手の石像がどどんと鎮座する闘技場。
そこには、『死の森』を突破及び第二試験を通過した下忍達が待機していた。

下忍の中でも周囲からの注視を一身に浴びているのは、音忍のナルトと君麻呂。
その状況下にて、わざとナルトは君麻呂に話し掛ける。周囲に悟られぬよう会話しているふりを装いながら、ナルトから手渡された文書を君麻呂は素早く懐に納めた。
「砂の人柱力がお前を睨んでいる理由は大体想像つくが、木ノ葉の忍びにも何かやったのか?君麻呂」
「それを言うならナルト様もでしょう。木ノ葉のほとんどの下忍が貴方を警戒している」
我愛羅達砂の忍びに加え、キバ・ヒナタ・シノ木ノ葉の下忍第八班から鋭い眼光を向けられている君麻呂が小声で答える。ナルトもまた、木ノ葉の下忍達からの警戒の色を孕んだ視線を柳に風と受け流していた。


「まずは第二の試験、通過おめでとう!」
下忍達に労いの言葉を真っ先に掛けたのは、中忍第二試験の試験官であるみたらしアンコ。彼女は試験を通過した人数の多さに、内心今年は優秀な下忍が豊富だと驚嘆していた。
「それではこれから火影様より、第三の試験の説明がある。各自、心して聞くように!――では火影様、お願いします」
「うむ」
アンコに促され鷹揚に頷いた御老体――三代目火影は一歩足を踏み出した。
「ごほん!―――これより始める第三の試験。その説明の前にまず一つだけ、はっきりお前達に告げておきたい事がある……この試験の真の目的についてじゃ」
火影の言葉に、ナルト以外の下忍は皆怪訝な顔をする。三代目火影は一度、その場に並ぶ下忍達を見渡した。その際彼の視界には当然ナルトの姿も映ったが、特に何も気にせずに大きく声を張り上げる。
「なぜ同盟国同士が試験を合同で行うのか?〈同盟国同士の友好〉〈忍びのレベルを高めあう〉…その本当の意味を履き違えてもらっては困る。この試験は言わば……」
そこで言葉を切った火影は煙管から白煙を吸い込み、ゆっくりと吐き出した。まるで試験に純粋な思いで挑んだ子ども達の白い心を、全て煙として消散させるように。
「同盟国間の戦いの縮図なのだ!」
動揺する下忍に構わず、火影は淡々と言葉を紡ぐ。
「歴史を紐解けば、今の同盟国とは即ち、かつて勢力を競い合い、争い続けた同盟国同士。その国々は互いに無駄な戦力の潰し合いを避けるためにあえて選んだ戦いの場――――それがこの中忍選抜試験のそもそもの始まりなのじゃ」


三代目火影の話を真剣に聞いている下忍の中で、ナルトだけは火影ではなく彼の背後に注意を向けていた。
「ドス達、合格しているな」
視界の端にてドス・ザク・キンの姿を認めた君麻呂の呟
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