六 胡蝶の夢
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最後に再不斬と白、両者の姿は即座に掻き消えた。
彼らの気配が『死の森』から遠退いたのを確認したナルトは、余った束の巻物を口寄せ用の巻物一本の中に納める。すると一抱えもあった『天』と『地』の巻物が瞬く間に一本の巻物に代わった。
それもまた懐に納めると、ナルトは再び気配を消して走りだした。
連携技でなかなかの奮闘を見せた『いのシカチョウ』。そしてリーの同班である日向ネジとテンテンもリーを探しに来たらしく、倒れている彼を見て戦闘に加わろうとした。
ちょうどその時―――。
「サクラ……お前をそんなにした奴は、誰だ?」
下忍とは思えないほどの殺気と禍々しい斑点のようなものを身に纏い、倒れていた少年がゆらりと立ち上がった。
「サ、サスケ…くん…?」
ゆったりとした緩慢な動きでサクラのほうを見た少年――サスケは笑う。待ちに待った恋焦がれる彼が目覚めたというのに、サクラは震えが止まらなかった。
サスケの首筋から伸びる斑模様が、まるで蛇のように彼の半身を覆い尽くしている。
サクラの短くなった髪を見て一瞬目を見開いたサスケはじろりと三人の音忍を睨みつけた。彼の瞳には、うちは一族の証拠である車輪の紋様が浮かび上がっている。
「誰だ?」
「俺だよ!」
サスケの尋常ではない殺気に気づいていないのか、音忍の一人―ザクが嘲笑いながら答えた。途端、射抜くような鋭い視線を向けるサスケ。
ありえないほど膨れ上がったサスケのチャクラに、思わず後ずさるドス。
相手の力量を測れる彼に対し、気づいていないザクが声を張り上げた。
「ドス!こんな死にぞこないにビビるこたぁねえっ!一気に片付けてやるっ」
「よせ、ザク!わからないのか!?」
ドスの制止の声を振り切り、ザクは自身の持つ技の最大級の一撃を放つ。しかし限界までチャクラの込められたその攻撃はあっさりかわされ、何時の間にか背後に回り込められたサスケにザクは吹き飛ばされた。
更に一瞬でザクの両腕を掴んだサスケは、まるでちょっとしたお遊戯を楽しんでいるかのように歪な笑みを浮かべる。
「両腕が自慢らしいな、お前……」
ぐっと尋常ではない強さで腕を引っ張るサスケ。抗うザク。いよいよ腕をへし折ろうとサスケが力を込めたその時。
「ウチもまぜろよ、うちはサスケ」
赤い髪を棚引かせて降りて来た少女がサスケの脇腹を蹴り上げた。
突然の事にサスケの力が緩む。その隙にザクはわたわたとドスの許へ向かった。
「誰だ」
「一応コイツらと同じ音忍。つーかザク!てめえ相手の力も分かんねえのに喧嘩売ってんじゃねえよ、馬鹿」
ザク達を心底呆れたといった目で見遣る赤髪の少女―多由也は、サスケに向き直る。サスケの
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