第6章:女の決意・男の勘違い
第15話:人の心と思惑には光と闇が存在する
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んで構わないなんて言うんじゃない!」
「そうよシンちゃん。きっとシンシアは生き返るから、死ぬなんて言っちゃダメよ」
マリーさんが優しく勇者様を窘める。
流石はビアンカさんの娘さんだわ……聖母の様な心を持っている。
「……本当に、本当にシンシアは生き返るのかな?」
やはりマリーさんの優しい心は伝わったのだろう。
俯き苦しそうに考えながらも、彼女の言葉に一縷の望みを見いだそうとしている。
「う〜ん……多分。超レアアイテムだから……断言は出来ないわねぇ」
あら……急に……何だか……アレねぇ?
先程までの聖母の様な感じが失われた気がするわ。
「おいおい……頼りない情報だなぁ。ガセネタじゃねーのか?」
「ガセじゃないわよ、失礼ね! ミントスの東に、高い岩山に囲まれた土地があるの。そこに大きな世界樹の木があって、そのどこかに世界樹の花が咲いてるかもしれないのよ」
「ミントスの東……それってこの地図の×印の場所かな?」
急に和気藹々とした空気になり、リュカさんが懐から古そうな地図を取り出す。
「おお、これってば宝の地図じゃん! どうしたのお父さん……ヒルタンのジジイから脅し取ったの? 得意だもんね」
「人聞き悪いなぁ、そんな事しないよぉ……何だか解らないけど、勝手に押し付けてきたんだよぉ……」
「でもリュカ……この場所、この地図で見ると行けなくない? 断崖絶壁みたいな岩山に囲まれてて、とてもじゃないけど行けそうにないわよ」
「それは大丈夫よお母さん! そつないマリーちゃんは、ちゃ〜んと情報を持っておりますんよ」
「あらあら、まあまあ……そつないマリーちゃんねぇ。では教えて、この地点にはどのようにして行くのかしら?」
「この地図で見ると南の方……ここら辺に『リバーサイド』って村があるの。そこに住む人が『気球』って言う空飛ぶ乗り物を開発中なのよ! そいつから譲ってもらえば良いの……きっとお母さんが色仕掛けで迫れば、一発でゲット出来ると思うなぁ私」
(ゴスッ!)
「お前がやれ、そんな事!」
「痛っ! 痛いわよパピィ……マジになって怒らないでよ」
娘さんが旦那さんに叩かれるのを見て、本当に楽しそうに笑うビアンカさん……
私の目の前では父母娘の微笑ましい光景が繰り広げられている。
そうか……ご家族と再会できたのだから、ビアンカさんは行ってしまうのね。
折角お友達になれたのに、もうお別れなんだわ……
ロザリーSIDE END
(ロザリーヒル)
マリーSIDE
痛って〜……
可愛い娘を殴るなよ……冗談なんだからさぁ。
お母さんも笑ってないで助けてくれれば良いのにぃ!
「まぁまぁリュカさん、貴方の血が色濃く遺伝した娘の
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