第4話 「ぶつかり合う白と黒」
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金髪の魔導師と遭遇してから数日が経過した。その間、これといってロストロギア――ジュエルシードが発動した気配はなかった。高町たちか金髪の魔導師かは分からないが、どちらかが発動前に封印していると思われる。
まあ……どちらの手に渡ろうと俺の知ったことじゃないが。
高町が協力している少年が何のためにジュエルシードを集めているか俺は知らない。高町が協力しているため悪用するためとは考えにくいが、悪用しないとも言えない。そのため俺からすれば、少年と少女に大差がないのだ。
ちょくちょく叔母に連絡を入れたものの、ケータイは電源が入っていない。ミッドチルダにある家は全て留守電だった。留守電に状況はきちんと入れてあるが、叔母は何日も家に帰っていない。管理局に今の状況が伝わるのがいつになるのか不明だ。
「なのはちゃん、今日も一緒に帰れないの?」
「うん……ごめんね」
「別に謝らなくていいわよ。大切な用事なんでしょ」
「ごめん……」
「……謝るくらいなら、事情くらい聞かせてほしいわよ!」
校門を出たあたりで騒ぐ高町たち。高町がジュエルシードの封印を始めてから徐々に彼女とバニングスの仲は悪くなっていって今に至る。
魔法文化が存在しない世界のため、高町が事情を説明できないのは分かる。バニングスの苛立ちもだ。だが彼女達がもう少し子供らしかったならばこのような衝突は起きなかったと思う。
高町は説明できないことも理由だろうが、一番は心配をかけたくないということだろう。だから何も言おうとしない。事情が説明できないということも。
バニングスは強気な性格をしているが、友達思いのある人物だというのは彼女を慕っているクラスメイトも多いことから分かる。付き合いが悪くなったことに対する苛立ちもあるだろうが、それよりも友人の力になってやれないといった感情が彼女の怒りの根源だろう。
「アリサちゃん……」
このことを今もふたりの仲を改善しようとしている月村にでも伝えたならば、多少なりとも変化があるのかもしれない。
だが、そうしてしまうと高町やバニングスまで月村のように俺との距離を縮めるのではないか。親しくなった先に不幸なことがあるのでは……とまで考えてしまい、父さん達を失ったときの感情が蘇ってきてしまう。
これが主な理由で、月村とは多少なりとも親しいため叔母に連絡が取れないのと同様に気にしているのだが、俺は傍観者に徹してしまっている。
「ごめんね……」
「じゃあね! 行くわよすずか……ふん」
「あ、アリサちゃん……ごめんねなのはちゃん、また明日」
「あ、うん……」
申し訳なさそうな顔でふたりを見送る高町。そんな彼女に
――魔法なんて今までの生活になかったものに関わるから良くも悪くも変化が起きるんだ。このままジュエルシード
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