暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
第4話 「ぶつかり合う白と黒」
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じ思考に至っていたのか、高町の砲撃の直撃を避けてデバイスを構えなおした。

「目的があるなら……ぶつかりあったり、競い合ったりするのは仕方がないかもしれない」
「…………」
「だけど……何も分からないままぶつかり合うのは嫌だ」
「…………」
「私も言うよ。だから教えて、どうしてジュエルシードが必要なのか!」
「……私は」
「フェイト、言わなくていい!」

 高町の言葉に耳を傾けそうになった少女を、彼女の使い魔が制した。金髪の少女はフェイトと言うらしい。

「ジュエルシードを持って帰るんだろ!」
「……ん!」

 使い魔の言葉に自分の成し遂げようとする目的を思い出したのか、フェイトという少女の瞳に力が戻った。
 フェイトは、デバイスを砲撃に使用した形態。高出力の魔法を用いると思われるフォルムに変化させ、ジュエルシードの元へと向かった。高町もすぐさま追いかける。

「「……ぁ!」」

 ふたりのデバイスがほぼ同時にジュエルシードに触れた。直後、凄まじい光と音が発生し……そして

「「……!」」

 高町とフェイトのデバイスに亀裂が入った。それとほぼ同時に、これまでで最も強くジュエルシードが発動し、青白い光が空を貫く。発生した衝撃によってふたりは飛ばされたが、経験の違いが出たのかフェイトはすぐさま体勢を整えた。

「……ごめん、戻ってバルディッシュ」

 フェイトは損傷したデバイスを待機状態に戻すと地面に着地。次の瞬間には、ジュエルシード目掛けて飛行し始めていた。デバイスなしに封印しようと言うのか。

「……ファラ」
「助けるのはなのはって子だけじゃなかったの?」
「それ以前に封印するのが目的だろ。今の彼女より俺たちのほうが確率は高いさ」

 ビルから飛び降り、飛行してジュエルシードへと向かう。
 フェイトとは接触したことがあるため顔は知られているが、高町には知られていない。そのためジュエルシードに接近して封印するという選択はできないため、必然的に砲撃魔法を用いるしかない。
 高町のような砲撃型の魔導師でもない俺が高出力の砲撃をするには圧縮や収束といった技術が必要になってくるため、高町以上の時間がかかる。そのため剣に魔力を集めながらフェイトへ念話を送る。

〔砲撃に巻き込まれたくなかったら止まれ〕
〔――っ! あなたは……やっぱり〕
〔俺の目的は封印、ジュエルシードはいらないと君に言ったはずだ〕

 魔力斬撃と呼べそうな砲撃をジュエルシード目掛けて放つ。漆黒の光は、ビル明かりの中を通って真っ直ぐジュエルシードに向かう。断ち切るように飲み込んだ漆黒の光が消滅すると、封印されたジュエルシードの姿があった。
 フェイトはこちらの様子を窺いながらジュエルシードに近づいてそっと拾い上げた。
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