四 暮色蒼然
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だがドス達の力量では、返り討ちに合う可能性が高い。そこで多由也。しばらくは様子見、雲行きが怪しくなったところでドス達の回収。だが、あくまでこれは計画の一端だから、木ノ葉に手は出さないでくれ」
「そういうことか…わかった」
しぶしぶ納得した多由也に一瞥を投げ、ナルトは君麻呂に向き合った。
「君麻呂には砂忍を見張ってもらいたい。ただし、ある程度距離をとった上でだ。砂は音とつながっているとはいえ、信頼はできない。それに砂の切り札は情緒不安定のようだし…、あまり殺戮されても困る。ただ、本当に見張るだけにしておいてくれ。切り札は砂をオートで操るらしいからな」
「わかりました」
君麻呂は素直にナルトに従った。
「ナルト様は…どうなさるおつもりですか…?」
「俺は他にやることがある。巻物は俺が揃えておくから、次に会うのは塔の中ということになるな…。だが、万が一君麻呂・多由也の身に何かあった場合はそちらに向かうよ」
「それこそ、万が一にないぜ」
多由也は不敵に笑った。
君麻呂と多由也がそれぞれ別方向へ向かって行くのを見送ったナルトは、視線をそのままに、頭上へと言葉を投げかけた。
「聞いていたか?」
「はい」「ああ」
すぐさま返事が木々の合間から返ってきた。
さわさわと揺れる新緑が、姿が見えない人の存在を醸し出す。
「悪いが、二人には第二試験の課題―巻物を集めてもらいたい」
「巻物?…もしかして、先ほど森に入ってきた下忍さん達が持っているモノですか?」
察しの良い少年―白が、眼下のナルトに問いかけた。
「ああ。『天の書』と『地の書』の巻物がそれぞれ一本ずつ下忍の班に配られている。五日以内に森の中心にある塔まで、『天地』の巻物二種類を揃えて持って行くのが、試験課題だ。そこで、再不斬は『地の書』。白には『天の書』を集めてほしい。なるべく多くな」
「だが、どのチームがどちらの巻物を持ってんのかわかんねーんだろ?」
大柄な男―再不斬の尤もな意見に、ナルトは考える仕種をし、その場を見渡した。
傍で咲く黒白の百合に目を止めた彼は、それぞれの花弁を二枚ずつ手に取り、指に挟む。その状態で、ナルトは尋常ではない速さで印を結んだ。
【黒白翩翩 耀従之術】
次の瞬間、生を持たぬ、ましてや動くことなどできぬ花弁が空を舞い始めた。
まるでそれは、黒き蝶と白き蝶。
二枚の花弁が重なり合い、呼吸するようにひらひらと金髪少年の傍で踊る。
さながらその光景は、優美高妙な絵画かと魅せられる。
「再不斬は黒を追え。そいつは『地の書』の巻物に反応する。白は白い方を。『天の書』に反応する。巻物を持つチームが半径10メートル以内にいる場合のみ、動きを止める。それから、二人には巻物を奪う際に、二つ
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