第二章 [ 神 鳴 ]
二十八話 諏訪の行方…
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子様!」
「早希!諏訪子の事頼むわ!貴方にしか頼めないの!」
ルーミアにそう言われて早希は頷くと諏訪子を追って部屋を出て行った。諏訪子の事は早希が何とかしてくれるのを期待するしかないか。
「――――クックッ……アーハハハハハッ!!アレが!あんな奴が古き信仰の象徴だと!ハハハハハハッ!!ただの拗ねた餓鬼じゃないか!アハハハッ!!」
月詠が突然笑い声をあげそんな事を口にする。確かに今の諏訪子の行動は気に入らない事から逃げる子供と一緒だ、だけどそんな風に言われると何故か腹が立った。
私がそんな事を思っていたら隣りにいたルーミアが月詠に迫り呼び出した大剣を振り抜いた、が月詠の首筋目掛けて奔った大剣の刃は甲高い音を響かせ神奈子の棍に阻まれる。月詠はルーミアに冷たい視線を向けながら、
「…いい度胸だな妖怪、死ぬか?」
「やってやろうじゃない!」
「止めてルーミア!剣を退いて」
ルーミアは止めに入った私に少し驚いていたが頭が冷えたのか渋々といった感じで大剣を消した。それを確認した私は大和の二神に向き直り話しかける。
「貴方達は話し合いに来たのでしょう?諏訪子は好きにしろ、と言ったわ。だったら私が諏訪の代表として貴方達と対話します。文句はありませんね?」
「ほぉ?この小娘妖怪の方が随分としっかりしてるじゃないか。名前は何ていうんだい?」
棍を収めた神奈子が感心したみたいな顔をして聞いてきた。
「七枷紫と申します、以後お見知りおきを」
そんな風に名乗ると神奈子がおかしな反応をしながら問い返してくる。
「あんたが紫かい。って言うか七枷?まぁいい、とりあえずあいつから伝言があるんだ。『心配するな』だと」
「!?お父様は無事なの!」
「「 お父様だって!! 」」
私の発言に二神は本当に驚いていた。
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互いに事情を説明した後広間の方に移動し話し合いを始める。因みにルーミアは自分がいると邪魔だろう、と言って諏訪子達を探しにいった。此処には今私と月詠、神奈子の三人だけだ。
最初に口を開いたのは神奈子。
「さてとりあえず何から話すか、…神が奪い合うものは分かっているね?」
「信仰」
私の返答に神奈子はその通り、という風に頷いた。
神々が必要とするのは人々の信仰心だ。国を奪うのは自分達を信仰させる為の人間を確保する手段にしかならない。そして私が気になっている事が一つ。
「大和は侵攻した国に居る神をどうするの?……殺すの?」
そう侵攻した後の今まで信仰されていた神の処遇だ。普通に考えれば自分達の邪魔になるのだから消すと思うのが当たり前だ。
「そうした方が手
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