第六話
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んできていた無造作な弾幕だった。
「か……回避!」
半分思考が吹っ飛んでしまった革命軍は、ほとんど状況が飲み込めず回避行動がままらない。そのまま被弾して意識を失っていくものが増えていった。
「くそっ! 撤退だ! 撤退しろ!!」
半分以上やられてしまった革命軍は、反撃しても無意味と考えたのか、全員を引き連れて逃げ始めていった。
「終わりか……」
「……」
背後ですべてを見ていた紫達は、あまりの状況に言葉を失っていた。そんな彼女たちに、彼はゆっくりと近づく。
「……」
「……」
向き合ったまま何もしゃべろうとしない。紫は信じられないといった顔でこちらをみていた。
「……ごめん紫」
「っ!」
少年はそういってフードをはずす。そこには、死んだはずの彼の顔があった。
「しゅん……じ……?」
俊司は何も言わずコクリとうなずいた。
紫はそっと手を伸ばすと俊司の頬に触れる。感覚はきとんとあるが、あのころ体温が少し違う。死者とまではいわないが。温度でたとえれば冷めかけたお湯くらいだろう。
「本当に……あなたなの?」
「うん……もう、人間じゃないけど」
そう言って、俊司は笑みを返した。
「人間じゃない……そう。この感覚は亡霊なのね」
「俺はあの戦いであいつに殺された。そして……映姫さんに助けられて亡霊になったんだよ……ごめん」
「……そうだったのね。でも、仕方ないわ。戻ってきてくれただけで……十分よ」
「紫……ありがとう」
俊司はそう言って軽く頭を下げていた。
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