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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
Development
第二十一話 不安と希望
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が……頼む。どうにも今年はアイツを狙った入学生もいるようで、いまいち他の生徒は信用ならん」

 彼の入学が決まってから希望者が一気に増えたということはそういうことなんだろう。ハニートラップを仕掛けて遺伝子を持ち帰り、研究するなんてことも国家レベルの組織なら考えてもおかしくない。

「わかったよ。束さんにも頼まれてたしね……まぁ、メインは妹さんだったけど。僕にできる範囲でいいなら」
「そうか、束が……。すまないな、助かる。出来る範囲で構わん、奴には経験も知識も覚悟も足りん。どんな機会でも奴の力になる……だから、頼んだぞ」
「あ、そうだ。代わりと言ってはなんだけど、また朝稽古に何回か付き合ってもらえない? 自分で続けてはいるんだけど半年のブランクが大きくて……」
「そのくらいお安い御用だ」

 みんな弟、妹想いだね……。よく考えたらこの学年には知り合いの弟と妹が多いんだよね。今のところ面識があるのは簪さんだけなんだけど……なんだか他の人と会うのが不安になってきた。これから虚さんの妹さんに会うんだけど大丈夫かな。

「それじゃ、生徒会があるみたいだから僕はいくね」
「あぁ、時間をとらせて悪かったな」
「ううん、また一緒に学園に通えるようになって嬉しいよ」
「……そういう言葉をそういう表情でほいほい他の生徒に言うんじゃないぞ」

 本音で嬉しかったので自然と笑顔になってそう言ったのに思いっきり睨まれて諌められる。つい先ほど同じような笑顔で似たようなことを言ったなんて言えない……。

 ちょっと予定外に時間をとられたので、僕は急いで生徒会室に向かう。もうみんな集まっているだろう。教師陣に注意されない程度に小走りで向かい、ようやく扉の前にたどり着いたら……。

「あー、しののん先輩だー」

 袖がダボダボの改造制服に身を包む見知らぬ女生徒がそこにはいた。




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