Development
第二十一話 不安と希望
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んが、辞退させていただけないでしょうか? 私は去年、同様にクラス代表に推薦していただきその任につきましたが全うすることができませんでした。私には再びクラス代表になる資格はありません」
「そうねぇ、別にそこまで気にすることではないと思うけど、他の子に機会を与えたいって気持ちはわかるわ。なら、更識さん。あなたはどう?」
「……別に構いません」
「そう、なら更識さんで決まりね、よろしく頼むわ」
もしかしたら簪さんが拒否するかもしれないと思ったけど、意外にもスムーズに決まりホッとした。
できればこういった機会は奪いたくはないのもあるし、やっぱり去年途中で投げ出す形にになったことへの申し訳なさもある。まぁ、留年していることを気にしないでほしいと言っておいてこういうことするのは矛盾かもしれないけれど、こればかりは仕方ない。
「さて、それじゃ今日はこれまでよ」
僕の発言に少しざわついていたものの、簪さんが受け入れたことで少し収まる。そして、ミュラー先生が〆たころにはすっかり落ち着いたようで、礼をした後一斉に帰り始めた。
簪さんもクラス代表になったからといって特に変わらないようで、昼休み同様すぐに出て行ってしまった。
生徒会へ呼ばれていることもあり、僕も出ようと立ち上がったところこちらに近づくクラスメートに気付く。彼女は僕の視線にビクッとしつつも、そのまま僕の前にきて話しかけてきた。
「あ、あの……さっきは申し訳ありませんでした。その……推薦してしまって」
「ご、ごめんなさい」
よく見ると、先ほど僕を推薦した二人だった。たしか、高島さんと小鳥遊さんだったかな。席が前後の二人で仲良さそうに話しているのを見た気がする。
どうやら、先ほどの僕の発言を誤解したようで、僕が気を悪くしたんじゃないかと思ったようだ。そんな気は全くなかったので、僕からも謝っておく。
「いえ、こちらこそせっかく推薦していただいたのにごめんなさい。それに、気にしないでください。私も自分の名前を挙げていただけて嬉しかったですから」
そう言いながら、怖がらせないようにできるだけ優しく微笑んでみる。
「あ……う……は、はい! あの、私、西園寺さんの模擬戦の映像を見たことがあって、憧れてました。こっちの高島さんは更識生徒会長に……。その、クラスのみんなはまだ戸惑っているみたいですけど、きっとすぐに打ち解けると思います!」
「……ありがとう。二人とも、よかったらお友達になってくれるかしら?」
「は、はい! 喜んで!」
「わ、私もお願いします!」
ちょっと顔を赤くしている彼女らを見て失敗したかもと思ったものの、彼女らは以前から僕のことを知っていたようだ。憧れと言われてもむず痒い気分だけれど、こうして話しかけてくれることは本当
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