Development
第二十一話 不安と希望
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ながらニヤリと僕のほうに視線を向けてくる楯無さん。
「いえ、特には。男性だからといって特別扱いすることもないのではないでしょうか」
下手なことは言えないので模範的な回答にとどめておく。こういう答えにくいことを聞いてくるのはやめてほしい。いや、分かっててやってるんだろうけど。
でも、実際に僕が下手に織斑君と接触したら状況がさらに悪化するのは間違いない気がしてきた。一度話をしてみたいのは変わらないけど、慎重にしないと……あとは箒さんもか。今のところ近くには織斑君がいるから彼女と話すタイミングも気をつけないと。
過熱気味の織斑君人気……というより現状は動物園のパンダみたいな感じだけどその一端を垣間見た僕らはその後は特に関与せずに食事を終わらせる。
「それじゃ紫音ちゃん。大変だと思うけど頑張ってね。あ、そうそう。今日の放課後に生徒会室に集まってね。虚ちゃんの妹が入学して生徒会に入ったから一度顔合わせするわ」
「あ、そういえばそうでしたね。わかりました」
以前、妹さんが入学するかもしれないと言っていたのを思い出す。虚さんのようにしっかりした子なのだろうか。同学年の生徒とはまだまともに会話できていないので、仲良くできればいいな。ちょっと会うのが楽しみになってきた。
なんとか授業が一通り終わり、あとはSHRを残すのみとなる。そこでようやくクラス代表を決めることになる。1組は昼休みに話題になっていたことから午前中に話し合われたようだ。
「と、いうわけで、自薦他薦は問わないわ。やりたい子、やってもらいたい子はいるかしら?」
ミュラー先生はクラス代表の仕事や役割を簡単に説明した後そう切り出すが、当然誰も名乗り出ない。去年は当たり前のように僕ら専用機持ちが推薦されたものだけど、今年は……。
さすがに推薦するのが躊躇われるのか、それでもやはりこちらをチラチラと窺う視線を感じる。
「あら? 誰もいないのかしら?」
「オーケー、それなら私が適当に推薦しちゃうわよ?」
様子を見ていたミュラー先生も、誰も手を挙げないためもう一度確認のために周囲を一瞥するとフランシィ先生が割り込む。……適当にって教師がそれでいいのか。
「あ、あのぉ。西園寺さんがいいんではないでしょうか?」
「わ、私もそう思います」
「私は……更識さん……がいいかな」
さすがに自分が被害を被る可能性が出てきてまずいと思ったのか、恐る恐るといった感じで数人の生徒から僕らの名前が出る。
「う〜ん、他には……いないようね。さて、西園寺さんに更識さん。あなた達が推薦されたけどどうかしら?」
ミュラー先生がこちらに尋ねてくる。でも、これに関しては僕は前もって決めていた言葉を口にする。
「申し訳ありませ
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