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IS<インフィニット・ストラトス> ―偽りの空―
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第二十一話 不安と希望
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に座る。楯無さんも席は近かったけど彼女はどうやら僕のすぐ後ろの席のようだ。

 簪さんにそう言われてしまえば、僕には何もできない。確かに僕が注意すればその場は収まっても後々状況が悪化することもあり得る。できれば彼女と話をしてどうするかを相談できればいいのだけど、今の関係ではそれすらできない。そんな現状に歯噛みするも、クラスの微妙な空気は変わらない。

 それを打破したのは、新たな入室者だった。

「さぁ、席につきなさい。HRを始めるわよ」

 入ってきたのは二人のスーツ姿の女性。どちらも金髪の綺麗な女性だった。二人ともまだ若く、二十代半ばから後半といったところだと思う。

「さて、まずは自己紹介させてもらうわね。私がこのクラスの担任になったシンディ・ミュラーよ。そしてこちらが」
「副担任のエドワース・フランシィよ」
「私はドイツ出身、彼女はカナダ出身だけど日本語は問題ないから安心なさい」

 ミュラー先生は、スタイルが良くモデルのような体型だ。その長い金髪と抜群の美貌も相まってハリウッド女優を彷彿とさせる。
 一方のフランシィ先生も、ミュラー先生とは違ったタイプの美人でセミロングの金髪だ。特徴としては山田先生のようだと言えばわかるかな……うん、大きい。今年も目のやり場に困るのか……。

 そんな二人をぼんやりと見ていたら……いや、胸は見てないよ? と、ともかく二人を眺めていたらミュラー先生と目が合う。その瞬間、何かが僕の中で警鐘を鳴らすのを感じた。こちらの心の内を知ってかしらずか、なぜか彼女はウィンクをしてくる。 

「ふふ、今年も可愛い子がたくさん入ってきてくれて嬉しいわ。絶賛彼氏募集中のフランシィ先生としては1組じゃなくて残念だったわね。盆栽なんて趣味にしてるから出会いがないのよ」
「あー!? それは言わなくても!? それにミュラー先生がどっちもいけるからってそんな他人事みたいに……」

 突如漫才のようなやり取りを始める二人。……さっきの悪寒はそういうことなの? それって教師としてどうなの!? 彼女らが担任と副担任で大丈夫なのだろうか。なんだかまた不安が大きくなった気がする。

「さて、ありきたりだけど自己紹介していってもらいましょうか」

 一人、不安に身を捩らせていたらいつの間にかやり取りが終わっており自己紹介が始められた。
 今年も例によって出席番号順に進められる。皆、緊張しているのが見て取れるがなんとか無難にこなしていき、すぐに僕の順番がやってくる。

「西園寺紫音です。趣味は読書と料理です。一応専用機を所持していますが、現在は代表候補生でも企業所属でもありません。また、ご存知の方もいるかと思いますが諸事情により出席日数が足りずに留年したため、皆さんより一つ年上となりますが、そのことはお
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