暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第34話 『ラッパのラ』
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ナさんが選んだものなら、なんでもいいよ」
「……スバルさんだって」
「……ティアナさん、か」


 ギアをローからニュートラルに切り替え、ティアナは振り向く。


「あの、ネコさん」
「うん?」
「さん付け、しなくていいですから」
「そうそう。それ抜いて今の言葉、もう一度お願いできます?」


 彼女たちの言葉を不思議に思うも、


「スバルとティアナが選んだものなら、なんでもいいよ」
『わかりました!』


 言われたとおりに応えるコタロウに2人は元気に返事をした。


「それじゃ、いってきます」


 スバルが片手をあげて挨拶をしたあと、ティアナはそれに合わせてギアを入れ替え、ゆっくりとクラッチを繋ぎ、


「はい。いってらっしゃい」
「いってらっしゃい」


 サイドミラーに映る微笑みながら手を振るなのはと()()()()にアクセルを余計に回して、危うく転びそうになった。


「ちょっと、ティアナ!? 本当に大丈夫?」
「え、あ、はい。だ、大丈夫です」


 もう一度彼を見るといつもの寝ぼけ目無表情であった。態勢を立て直し、今度はゆっくりと慎重にアクセルを回す。


[ねぇティア。今、ネコさん微笑んでなかった?]
[じゃなきゃ、運転ミスらないわよ]
[なのはさんは、気付いてなかったね]
[まぁ、隣じゃ気付かないんじゃない?]


 スバルとティアナは互いの確認が取れたのにもかかわらず、まださっき見た彼の惹き込まれるような微笑みが現実なのかそうでないのか疑いながら、自分たちの髪を風に任せて走りだした。余談であるが、彼の表情によって彼のお土産を買い忘れたことに気付くのは今日という日が過ぎたときである。
 なのはとコタロウが2人を見送ったあと、後ろのほうでやや軽い足音が聞こえたので振りかえってみると、エリオとキャロ、そして送りだすフェイトがいた。


「ライトニング隊も一緒にお出かけ?」
『いってきます!』
「うん、気をつけて」
「あんまり遅くならないうちに帰るんだよ? 夜の街は危ないからね」
『はい!』


 フェイトは2人が頷いてもどうも心配することは止まず、エリオがキャロをエスコートすることを言い聞かせたあとにも「知らない人に付いて行っちゃだめだよ?」や「何かあったらすぐに連絡するんだよ?」等を何度も何度も繰り返した。それに対しエリオは少し気恥ずかしそうに「大丈夫です」と返事をする。
 それを見てなのはが苦笑するなか、


「『ラッパのラ』だ」


 コタロウはぽつりと呟いた。


「コタロウさん、なんですか? その『ラッパのラ』って」


 ぴくりと反応するフェイトたちを余所になの
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