暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第34話 『ラッパのラ』
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の――」
「出てってください!!」
「わ、かりました」


 ごとりと氷塊が落ち、結合が解放され雲散していく間にコタロウは部屋をあとにした。背中の後ろ、ドアの向こう側では


「ふえぇぇん、裸見られたですぅ〜〜!」
「あの、大丈夫ですよ。ほら、コタロウさん、気にしていないようでしたから……」
「それは、なおさらですぅ〜〜」
「え、えーとぉ……」
「もう、お嫁にいけません〜〜あぅ〜〜」
「……どこで、そんな言葉を?」


 そんなやり取りが行われていた。


「僕、なにかしたのかな?」


 もちろん、調整においては男性や女性ではなく、1つの『個』として見るコタロウには彼女の心情を理解することは現時点では不可能だった。






△▽△▽△▽△▽△▽






「なにがあったんですか?」
「頭に氷をぶつけました」


 コタロウが部隊長室に訪れたとき、彼が何故頭から血を流しているのか皆目見当がつかず、はやては開口一番で彼に尋ねた。だが、彼は血を流した理由だけを応えただけで、それに至った理由は応えなかった。


「早くシャマルに見せなあかんやん」
「いえ、血はもう止まっていますので、行くのであればあとにします」


 そういって彼は手に持った書類をデスクに置く。はやてはそれを手に取り、ざっと目を通すと、怪訝そうに顔を上げた。


「これはなんですか?」
「はい。こちらは……」


 そこで彼が話すその書類の理由に、顔を(しか)めるも納得せざるを得ず、頷いて認め印を押す。


「ありがとうございます」


 丁寧に頭を下げるコタロウに、小さくため息を吐く。


(ほんまに、この人()()どこまで及ぶんや)


 彼の、いや、彼()の考えには今一つ及ばないと思いながら目を細める。全くその通りだと思う。そしてひとまず考えを取り払い、彼を見上げた。先ほどの着流しからつなぎに着替えた彼はいつも通り、自分の目線よりもやや下を向き、上官が不快に思わないようにしている。


(そんな(かしこ)まらんでもええのにな)


 はやてはまだ、彼と敬語抜きで話をしたことがない。それはどちらかというと多数の部類にはいるが、何故だかもどかしさは拭いきれないのである。()()日からどうも気持ちが安定しないのだ。ある程度、もしかしたらという条件で自分の心に整理をつけてはいるが、そちらに傾倒するわけにはいかなかった。


(それでも見極めな、あかんなぁ)


 ただ、うやむやに心を引き摺るよりは、はっきりと明確にさせておく必要もある。そういった感情の揺らぎが極稀に任務に多大な影響を与えることを知ってい
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