暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第34話 『ラッパのラ』
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に足がつくかつかないかのぎりぎりまで持ち上げた。


「ほ〜ら、地面に上手く足がついていないと、不安で不安で仕方ないでしょう? こう言う状態ってなんていうか知ってる?」
「……あ、あう」
「浮足立ってるって言うんだよ、ヴィータちゃん?」


 感情が昂っていることと新人たちがいないせいか、責め立てる3人を止める手立ては、最早フェイトは持ち合わせていなかった。


「ネ――むぐっ」
「ネコさん、どうもご迷惑かけました」


 そう言ってヴィータは連れて行かれる。コタロウが無言で見送るなか、その視線の先では、


「丁度いいじゃないか。出かける前に私たちで戦技指導をすればいい。大丈夫だ。『手加減』はしてやる」
「ゆっくりお話――ううん、しゃべらなくてもいいかも。『私の砲撃をくらう』んだし」
「ヴィータちゃん、大丈夫だよ。私が治癒と『料理』で元気にしてあげるから」
「え、ちょっ、ほらっ、余裕をもって早く――」
「安心しろ、すぐ済む」
「うん! すぐ済むよ」
「さぁ、訓練場に行きましょうね〜。あっ、その前に調理室行かなくっちゃ!」


 という声が廊下に響き渡っていた。






△▽△▽△▽△▽△▽






「――ひゃぅ!」


 コタロウがブザーを押してメンテナンスルームに入ってきたのは、丁度リインが制服を全て脱ぎ、調整液に浸かった時だ。
 シャリオの予定と自分の空いている時間を報告しようと、すたすたと彼女に近づく。その間、リインには一瞥もしない。


「フィニーノ一等陸士、今日の予定なのですが」
「え、いや、コタロウさん!?」


 シャリオが酷く動揺しているのを見て首を傾げると、彼の横でこぽりと気泡の音が聴こえ、そこで初めて急いで本を出し、それを盾にしているリインを見た。


「リインフォース・ツヴァイ空曹長の調整中でしたか。すみません、フィニー――」
「……って、ください」


 シャリオに向き直そうするコタロウに、リインが身体をぷるぷるさせながら言葉を絞り出した。


「申し訳ありません。もう一度よろしいですか、リインフォース・ツヴァイ空曹長?」
「……ぅぅ」


 リインの顔が、見る見るうちに紅潮していく。


「リインフォース・ツヴァイ空曹長?」
「コタロウさん、あのですね……」
「フィニーノ一等陸士。申し訳ありません、上官の命令のあとに――」


 その時だ。リインは大きく腕を振り上げる。


「で……」
「はい」
「出てってくださいぃ〜〜!!」


 彼の頭上が光ると、その頭と同じくらいの大きさの氷塊があらわれ、そのまま彼女の合図で振り下ろされた。


「ッタ! ……? あ
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