暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第32話 『だからこそ』
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の瞳が光り、
『(……い、良い笑顔すぎる)』
と、周りに思わせるような表情をした。
そんな表情に感心することもなく、コタロウは次のおかずに箸をのばした。
彼女の料理の味をよく知る人たちは、試しに食べてみたい衝動に駆られるも、彼が箸を休めなかったこともあり、食べることはできなかった。
仕方なく、各自食事をとることにする。
そして、コタロウは残さず食べ終わり、弁当箱を包んだあと、
「シャマル主任医務官」
「は、はい!」
「ごちそうさまでした」
「お、粗末さまでした」
軽く会釈をすると、シャマルもそれに応じて頭を下げた。
「最後にもう一度聞きたいんですけど……本ッ当〜においしかったですか?」
「はい。本当においしかったです」
彼女にとって、その結果は大成功と言ってもいいほどのものだ。『前回と比べ』というものが含まれていても、『まずい』という言葉が彼の口から出なかっただけで手を振って喜んでもいいくらいである。
そして、実際に手を振って喜ぼうとしたとき、
「や、やっら〜ぁぁ……ゃふぅ」
緊張が解けたのが、シャマルは疲れと眠気が一気に押し寄せて、ぱたりと倒れた。
『……へ?』
丁度コタロウの膝を枕にするように。
「あいらろうおらいまふぅ」
「…………」
すぐに元の表情に戻ったコタロウだが、さすがに彼もこれには僅かに目を開いて驚いた。彼は自分の膝――実際は
腿
(
もも
)
――を枕にしているシャマルを見下ろしながら、数回瞬きして、
「……寝てますね」
と、結論付けた。
「なるべくお静かに願います」
『…………』
この沈黙が別に自分の言葉で静かになったわけではないことが分からないのは、彼だけだ。
コタロウは自分を枕にしている彼女の顔を覗き込もうとはせず、ただ正面の風景をじっと眺めていた。
「ネ、ネコさ――」
「お静かに願います」
一番初めに口を開いたのはそれを真正面で見ていたリインだ。声が大きかったのか、コタロウに諌められる。
すぐに念話に切り替え、
[ネコさん、何なんですか!? それは!]
[……膝枕ですね]
[そうじゃ……いえ、そうなんですけど……]
彼女は口をぱくぱくさせて、何かを訴えようとしたが、言葉が上手く出てこない。
一方、スバルたちは、
[……あれさ、もう、上官と部下の関係じゃないよね]
[言っておくけど、私たちもご飯を『あーん』して食べさせたんだから、変わらないわよ]
[それは、そうなんだけど……]
[なんか、最近ますますこの六課が『家族』って思うようになってきましたね]
[うん。
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