暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第32話 『だからこそ』
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にある取り皿の上にサンドイッチの材料を盛る。


「それでは、お昼に致しましょう」
「は、はいです!」


 近くにいる人にしか分からないくらいの微弱な魔力反応をリインは感じ取ると、コタロウは料理の作業に取り掛かった。
 まず、リインが目を見張ったのはその指先だ。コタロウの指先は硬化させたエアロゲルを纏い、それをナイフのように使って、バンをリインの持てるサイズに切る。次は具をそのバンに挟めるように薄切りにしていく。切るとき、具がぶれないようにこれもまた指先と同じものを形状変化させ押さえつけていた。
 彼女は、地球へ出張任務に訪れたとき、彼が「料理が実験のようになる」といった理由がよくわかった。その過程が正確で、精密過ぎるのだ。彼にとっては仕事の延長線上に『食べるものを作る』という点があるだけなのだと思わせる。元々表情に出ない彼であるためか、楽しそうでもない。


「出来上がりました」
「あ、ありがとうございます」


 ただ、出来上がったものは寸分たがわず、大きさ、見た目は紛れもなく彼女にとってぴったりな料理であった。


「いただきます」


 リインがサンドイッチを手に取り、口に運ぶまでをコタロウはじっと目で追う。
 彼女はその見下ろされている視線が気になり、少し身体を移動させ視線を逸らした。このサイズで自分の手に収まる料理は食べる機会が大変少なく、違和感がないことに逆に違和感を(いだ)きながら彼女はそれを食べた。
 味は普段食堂で食べているものと変わらない。


「おいしいです〜」


 だが、リインはこのような場所で、且つ親しい人が作った料理が普段以上のものになることはよく知っていた。


「……ふむ」


 リインは正直に答え、それが相手に不快感を与えない答えであるはずなのに、彼は首を傾げたことを不思議に思う。


「あの、どうかしました?」
「……はい。自分の作った料理を召し上がっていただき、そしてそのように言われると嬉しいものだと思いました」
「え? そ、そうですか?」
「はい。幾つか私の作成したものをリイン・フォースツヴァイ空曹長がご利用されていますが、それとはまた違います……どうかしましたか?」
ひぃえ(いいえ)、なんでもないです」


 少し頬を染めたのは彼女だけではなく、彼もだ。もちろん、彼の場合は分からないくらいの小さな変化であったが、リインはそれを見逃さなかった。単純に、自分が彼をそのようにさせたことは嬉しいことだと思う。


「む〜〜」


 シャマルもそれを見ていなければ、より一層嬉しかったことだろう。


「シャマル主任医務官?」
「さぁ早く、私のも食べてください!」
「わかりました」


 シャマル
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