暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第32話 『だからこそ』
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られ、視界に影が入ったので見上げると、そこには先ほどのリインと同じように不満をあらわにしたシャマルがいた。
「シャマル主任医務官?」
「私も不満になりました! なんとかしてください!」
「あの――」
「なんとかしてください!」
コタロウは、何故
リインが食堂
(
ここ
)
の料理より劣る自分の料理を食べたいのか、そして何故シャマルが不満になったのか分からなかった。
△▽△▽△▽△▽△▽
結局、コタロウが悩みから解放されないのでヴァイスが脇から助け舟を出し、お昼は時間の合う人たち皆で、外のちょっとした芝生のある広場で昼食をとる案をだした。そうすると次に動いたのはスバルで、食堂のスタッフにかけあい、パンとその間に挟む具をお願いし、用意してもらった。つまるところコタロウはリインにサンドイッチを作り、渡すだけになってしまったが、それでも彼女にとっては渋々ながら満足の域らしい。シャマルもそれに納得した。
そして、少なからず新人たちにはそのお昼のイベントが楽しみになる要素になり、訓練に良い意味で影響が出た。本当なら、感情の左右によって訓練に影響が出るのは喜ばしくないことであるが、隊長たちもどこかしら心動くところがあり、仕方なく注意をすることはしなかった。
訓練が終わった後、新人たちはへとへとになりながらもクールダウンをしっかり行い、早々に昼食の準備をしにいく。
「あれぐらい元気なら、まだ絞れるなぁ」
「……まぁまぁ、ヴィータちゃん」
彼らの後ろ姿を見送りながらヴィータは含み笑うと、なのはは
宥
(
なだ
)
めるように苦笑い、後を追うように歩き出す。
フェイトとコタロウは彼女たちの後ろに少し距離を置いて――実際にはフェイトがコタロウの歩調に合わせて――歩いている。
彼はスバルたちと一緒に向かおうとしたが、彼女たちに止められ、なのはたちと一緒に移動することになったのだ。
「コタロウさん」
「はい」
フェイトは少し声量を下げて話しかけると、コタロウも合わせて声量を下げる。彼にとって声量を合わせることは、聞かれてはいけない話をするという機密性からではなく、上官に呼応するのが礼儀であると考えているからだ。
「き、今日はコタロウさん、お弁当なんですよね?」
「はい」
「……」
前で何気ない会話をしているなのはとヴィータたちとは違い、会話が続かない。しかし、その原因となっているのが、両手の指を交互に組んでは離す彼女のせいなのか、普段と変わらず歩く彼のせいなのかは言及できない。
「お弁当って、貰うと……う、嬉しいものですか?」
「嬉しい、ですか……?」
そのまま十数歩の無言が続くと、また彼女が独り言にとれな
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