暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第31話 『太陽と月』
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一応ね、シャマルには連絡しておくよ」


 キャロの気遣いに、頭を撫でながら応えた後、フェイトはシャマルに念話で起きたことを伝えると、今日は激しい運動を決してしないことを約束し、医務室を後にした。
 2人が自分を守るように先頭を歩くのを見ながら、フェイトは胸に手を当てる。


(……大丈夫、かな?)






△▽△▽△▽△▽△▽






「フェイトちゃんとコタロウさん、大丈夫やろか?」
「見に行くですか? リインはここにいますから、様子を見に行ってくるといいですよ」


 モニターの向こうからリインが顔を出して、にっこりと微笑んだ。はやては指を顎に当てて一考すると、息抜きがてらに行ってみようかと思い席を立つ。
 はやてたちはシャマルの診断結果により、2人とも問題ないことが既に分かっていた。フェイトは疲労、コタロウは彼女の攻撃を受けた衝撃――羽織には工具が防護の役割を果たしていて、斬られた痕はなく、斬撃による衝撃――で気絶したのだ。彼女は休めばすぐ良くなるし、彼は起きた後の再診で予後をみる。


「起きていたら、2人によろしくです」
「ん〜。ほなお留守番、よろしくな?」
「はいです」


 そういって、はやてはオフィスを後にした。






 正直、コタロウが自分を含め六課の面々の雰囲気という雰囲気を、回れ右したかのように変えることは既に分かりすぎるほど分かっていた。


「ソルも眠れないの?」
「……え?」


 しかしそれでも、ちょっと内心興味本位で寝ている彼の顔を覗き込んだとき、彼のほうを向きながら、かなり相手の顔に近い位置に顔をうずめることになるとは、思ってもみなかった。
 彼は機械士(マシナリー)だ。機械を修理し、雑務もこなす優秀な人である。だが、今の状態はどうか。確実に自分の思考を壊している。


(……ふわわわっ!! 近い近い近い!)


 はやては壊れて止まっていた思考をなんとか取り戻すと、疑問以前に彼をちょうど上目遣いで見上げる状態にある自分に、今まで体験したことないような緊張と動揺を覚えた。


「君に出会ってから、全てが変わった」
「んんんん!?」


 どうやら彼は起きているときだけでは飽き足らず、寝ていても六課の面々――現在、この場にいるのははやてのみ――を驚かせるらしい。


「眠っている君には分からないかもしれないけれど、傍にいるだけで嬉しいんだ」
「――ンナッ!!」


 彼が寝ぼけていることと、どうやら子守唄を歌っているのはすぐに分かった。なかなか会えない人――多分、ソルという人――を想う唄で、嬉しい気持ちと哀しい気持ちが揺れ動いている歌詞になっている。
 歌詞を理解することで
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