暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第30話 『それはあなたです』
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ん。でも――」
『すり抜けた!?』
上空で何が起こったのかを彼女たちは見逃した。
――――試験開始 8分〜11分 in eyewall
フェイトはコタロウが何をしたのかを一挙一動として見逃さなかった。
自分が放った複数の魔力弾は相手に全弾命中させるためのものではなく、散弾のように広範囲を想定したもので、相手が移動するなり、傘を開くなりの回避行動をとるだろうと彼女は考えていた。
しかし、彼の取った行動はそのどちらでもなく、
(自分に当たるものだけ、軌道を逸らした)
弾幕のなかで自分に当たるものだけに傘の先端を当て、進行方向を変えたのだ。魔力弾は彼の身体すれすれを吹き抜けていった。
遠目から見れば弾幕の中をすり抜けたように見える。
(ふ、ふ。それなら、左右同時なら、どう?)
まだ、彼女は自分が微笑んでいることに気付いていない。
心地よい疲労を感じながら、今度は先程より倍近い魔力弾を生成する。
空は晴れ、太陽が地を照らしているのに、彼女の周りは自身の魔力弾でそれよりも明るい。彼女はそのそれぞれに意思を送り、彼に向かって撃ち放った。左右に別れ、加速し、彼に向かうのをフェイトは見届け、戦術を練ろうとするが、
(……駄目だ。攻めたい!)
寒気に近い振るえが身体に走ると、一度大きく彼と距離をとり、叫んでいた。
「ザンバーフォーム!」
ソニックムーヴも惜しむことなく
2
(
・
)
度
(
・
)
唱え、離れた距離を助走距離として加速度をつけ、彼に突っ込んでいった。フェイトは彼にザンバー――剣――を突き刺す構えである。
コタロウは傘を伸ばしその中心を握り横にして胸元におく。
(長さは準備運動で見たとおり自在なんだ)
彼の身長の3倍はある長さだ。彼女はさらに加速し距離を詰める。
そして、彼は魔力弾が自分に着弾するよりも先に、
(傘の
撓
(
しな
)
りを利用して
撓
(
たわ
)
ませて、当たる弾だけ
擦
(
こす
)
らせた!?)
三方向の攻撃がほぼ同時であれば、自分から先に当たるのだけ対処すればよいかのごとく、先端と柄の部分で弾だけ先に軌道を変える。
その後、瞬時に傘を折りたたみ、ザンバーと地面に対して垂直に前に出し、接触する瞬間に手首を巻き込みながら身体を回転し、剣の腹を撫で、フェイト
諸共
(
もろとも
)
後ろへ受け流す。左右から彼を襲う魔力弾は彼女とも交差するかたちになるが、彼女は身を
翻
(
ひるがえ
)
してよける。
(傘の伸縮は自身の間合いの調整なんだ)
通り過ぎた後、フェイトは彼のほうを振り返ると、傘がまた一段を輝きを帯びていた。
頬を汗が伝い呼吸が徐々に荒く鼓動も跳ね
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