暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第30話 『それはあなたです』
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べ弱い場合、擦過――互いを擦り合わせたときに発生する現象です。簡単に言いますと、高さの違う砂山を同じ高さにしようとする現象といえばいいでしょうか」
一般的に、結合した魔力は衝突すれば必ずその箇所は破壊され、魔力素子は制御を離れ自由素子となる。生成した防御壁が攻撃を受ければ常に同じ強度は保てず、その分弱体化するものだ。
そして、この時相互間に極端な魔力差が発生する場合、束一的性質と呼ばれる相平衡――安定を求めて均一を保とうとする現象――により魔力素子が小さいほうに遷移するのである。
これは衝突を連続で繰り返す、つまり擦過を行なうことによって発生するため、一般的には『擦過現象』として呼ばれ、より専門になるとシャリオが話したように『魔力異相差間の擦過行為による素子自由化、及び相平衡を利用した魔力素子遷移現象』と少し長ったらしい呼び方になる。さらに、そこで制御を行なえば魔力素子は雲散することなく他人の魔力を相手の制御下におけることが可能だ。
「そんなの、今まで見たこと無ェぞ」
「……あるわけありませんよ。単純に魔導師ランクではなく、魔力量の比較でいうと、Aクラスでさえ相手はEまたはFクラスの方ぐらいでなければ発生しない現象なんですから。それ以上でしたらDくらいの差が無ければそんな現象は起こりません」
『…………』
ヴィータとシグナムは黙りこむ。
現在、フォワードメンバーの中にそれほど魔力量の低い人間はいない。全員魔力量は高く、将来性のある人材を集めているのだ。低い人間はいないと言ってもいい。
「……ゼロレンジ」
彼の防御方法を見て、思い出したようになのはが言葉をこぼした。
「なんやの、それ?」
「あ、うん。一般的にクロスレンジ――ショートレンジも含む――とミドルレンジ、ロングレンジのうちのどれか、あるいはそのいくつかを専門とする魔導師になるんだけど、それはある一定の魔力を持つ人しか魔導師になれないという現在の適正基準が出来てからなんだ。でも、その基準が出来る前はどんなに魔力量が低くても魔導師になれたから、その人たちが戦える領域があったの……」
前置きとして、先輩に聞いた話であるとなのはは付け加える。
「それがゼロレンジ。クロスレンジよりも相手に近く、まるで触れてしまいそうな距離のことなんだ。そのなかでも特に優れた人は『擦過現象』を巧みに使う『アドヴァンスドグレイザー』って呼ばれて、魔力量差を実力差をせず、相手を圧倒することができたみたい、なんだけど……」
「なんやけど?」
はやてはなのはを見て訝しみ、
(……魔力量差を実力差としない?)
ティアナは
拳
(
こぶし
)
を握り、クロスミラージュに目を落とす。その代わり、
「う
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