暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第30話 『それはあなたです』
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んでいった。大きく振りかぶり、


「……まずはパワーよりもスピード――」
「それで、正面からじゃなく、背……は?」


 フェイトが振りかぶった位置から消える前に彼は後ろを向いた。
 遅れて彼女の姿が消え、彼の背後――正面に出現する。
 彼女の体勢は振りかぶった状態であらわれるが、彼がこちらを向いているので目を大きく見開く。そのまま背後を狙おうとしていたのに、正面から受ける形になるのだ。魔力の(こす)る音が聴こえ、軌道を逸らされる。また、フェイトは屋上にいる彼女たちのほうへ視線が向く。


「ネコさんが背後からの攻撃を読んでたってこと?」
「……ううん。それ、違う」


 モニター越しから見るのをやめたティアナに、スバルにしては珍しく抑揚が無く、首を横に振る。因みにスバルもモニターは見ていない。


「ネコさんが動いたのはフェイト隊長が消える少し前……」
「だからっ――」
「消えるってことは残像なんだよ。つまり、消える前にはフェイト隊長はそこにいなくて……」


 まさか。とティアナは息をのむ。


「……フェイトさんに合わせて動いたってこと?」


 スバルは頷く。
 つまり、残像に騙されること無く、彼は動いただけだとスバルは言葉を漏らす。視界の認識がコタロウとは違うことを自覚する。


「多分、エリオもそう見えてるはず……ね? エリオ?」
「あ、はい。でも、残像は残ってますよ?」
「それは私も。普段接近戦で慣れてるんだと思う」


 上空ではその間も彼女はフェイントをかけつつ、彼の背後から攻撃しようとしているが、彼の正面を攻撃するかたちに終わる。
 気付けば彼女の行動が執着ともとれる時間が経過していた。
 だが、


「……なのは隊長、フェイト隊長はまだ手加減しとるんか? なんや、そうは見えへんのやけど」
「うん。全力じゃないけど、かなり本気でやってる」


 見上げるなのはの目が、どのように見えているのかは分からないが、はやての目にはフェイトが2人、3人で彼を囲っているように見え、目が追いつかない。なにより、戦っている2人はぶつかり合って競り合うことが無いのだ。全てフェイトの振り抜きで終わる。






――――試験開始 5分 in eyewall


 フェイトはまたコタロウの背後を狙おうとするが、正面から上から下へ受け流されたのを最後に再び彼から距離をとった。


「……はぁ……はぁ」
「…………」


 フェイトの呼吸が乱れ始めたのに対し、コタロウの呼吸は乱れていない。


(もう、一度ッ!)


 この一撃を最後にしようと今日一番の速さで間合いを詰め、彼の背後に回り込む。
 今度は移動し終わった
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