暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第29話 『季天鋏』
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はあちらが行なうと言ってました」
「因みに、時間はどれくらいで?」
「 336時間です」
『さんびゃッ――!』


 丸2週間だ。とスバルは声を漏らす。不眠不休で製作したのかは聞かなかったが、それだけの時間がかかったことに嘘は無いだろう。
 改めてこの生地を見る。単純に1日8時間作業に従事したとして42日かかる計算だ。新人4人を優先的に作ったとして6ヶ月弱、手の空いている人が複数人いればもっと短縮できるが、それに時間を割ける人間は六課には居ない。それにそれが出来たとして手編みなのだ、いくつものテストをしなければならない関係もあり、試用期間1年のこの六課にその余裕は無い。
 考えてみれば、彼が普段使用してるデバイスは不安定極まりないもので、実用化には向いていないことがよく分かる。彼が所持するこのデバイスのみが、6年という長い期間テストを行い、実用できる水準に近いものなのだ。
 そこまで考えてはやては疑問に思う。


「せやけど、そんな危ないもの、完成当時は局が許さないとちゃうんか? 説明聞いたけど、全部研究段階で危険性の高いものばかりやん。所謂(いわゆる)このデバイス、試作品みたいなものやろ?」


 その疑問はもっともだと思うはやてたちに対し、シャリオは用意していたかのように頷いた。


「はい。ですので、この傘、局登録がなされていません」
「……は? じゃあ、コタロウさん違法所持や」


 管理局では民間でもデバイス所持は認められているが、局員は局員で所持する場合は申請が必要で、民間とは違う手順を踏まなければならない。局員では誰でも知っていることである。


「いいえ。登録されていなくても試作品であれば、試験運転および動作確認、またある程度の一般使用を許可される資格があります」
「……限定付武装局員資格」


 気付いたようになのはがぽつりと言う。


「はい。一般のデバイスであれば作成した後、局から認可が降り、正規の局員に使用されます。スバルたちのも出来たばかりだけど、安全性は私だけでなく局もお墨付き。そのあと、上官の許可が降りたところで使用が許可され、調整して、一般許可がおります」


 マッハキャリバーたちの使用はいきなり本番になったが、それは上司からの使用許可が有り、それ以前に局登録のなされたものであるという。


「でも、コタロウさんの持つ限定付武装局員資格は、動作確認という名目上で認可の下りていないデバイスの所持と限定使用が許可されているんです。しかも試作品扱いなので、デバイスリミッターも関係ありません。コタロウさんにしか出来ない裏技中の裏技です」
「そ、そんなん、もし、使用して事故が起こったらどないするんや」
「ですから、試験運転、動作確認という模擬戦でしか傘の
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