暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第29話 『季天鋏』
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用すると思います?」
「…………」
近年やっと安全性を確保できた現行のカートリッジシステムであるが、コタロウの傘が安全性があるとは限らないし、安全性を確保できたのであれば大量生産しやすいほうが、思い思いではあるが、採用されるのは前者であろう。
そのような人間がこの世に多くいることははやてでなくても知っていた。
「もし、論文を公開していたとしても更なる研究と実用化までは最低でも20年はかかります。世に出てくるのは多分10数年後です。時代を先取りしすぎた研究が、歴史に埋もれてしまうことを、おそらくあの御二方は知っていたのだと思います」
もちろん、コタロウさんのため、という名目が一番最初にくるとは思いますが、研究開発のみの視点から見れば、一般的なことです。とシャリオは言い切った。
「この傘が採用しているカートリッジシステムは6年前――開発当初であれば8年前――に搭載されているので、現行のカートリッジシステムと同様、当初は安全性は無かったでしょう。6年掛けて安全性を確保したのだと思います」
直接本人から聞いたわけではないため――関与する人間は近くにいる――予測の域を出ないが、おおよそそんな感じだろうと彼女は決定付けた。
はやてたちよりは機械に従事しているため、1つのものを作り上げるのに研究開始から実用化まで多くの時間を費やすことをシャリオは良く知っていた。そして、需要が無ければ開発途中で消えていくことも良く知っている。
「このデバイスは古代、近代、現代のどれにも当てはまらない未来のデバイスと言ってもいいかもしれません」
『…………』
そういわれると、言葉が詰まるのは当然だった。子どもの頃の自分が今の自分を想像できたろうかという感覚に似ており、それが今、目の前にあるのだ。
「アイツのデバイスは未来のデバイス、か」
「この生地も、現行のバリアジャケットに採用すれば全ての性能をおよそ10倍に跳ね上げます」
「……あかん、納得できるが理解できなくなってきたわ」
「私も理解できていないので大丈夫です。素材は現行のバリアジャケットと同じなんですが、編み方が違うんです。全て手編みで柔軟且つ魔力を受け流す独自の編み方になっています」
「それもやっぱり――」
「はい。大量生産は、現時点では不可能です。工芸の領域で普通の人が編めば少なくとも半年はかかります」
フェイトは唸る。簡単に言えば六課の前線メンバーに採用するのには1年以上の月日を費やすという意味だ。
「コタロウさん」
「んくっ。はい」
口に入れたサラダを飲みこむ。
「この生地は誰が作ったんですか?」
「私です。設計自体はトラガホルン両二等陸佐が、製作、調整は私です。最終調整
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