暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第29話 『季天鋏』
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と『布』を駆使した『何か』に形状変化できます」
『そんなものまで!?』


 布みたいなもので、薄いものならと彼女は付け足した。


「これを暇の持て余しとして『寝そべり(リカンベント)形式』と位置づけています」


 設計書に箇条書きで書かれている部分をスライドさせて、簡単に説明し、その他という番外形式があると言葉を残す。


「これ、くらいですかね。今わかるところの形式と形態は」


 形式を標準の傘に戻し、テーブルの上に置く。


「傘の形式を外れる寝そべり形式を除外すれば、本当にただの傘なんですが、皆さんのデバイスと連想すると、少し怖いですね」
「怖い?」


 シャリオは一度カップに口をつけた後、眼鏡を掛けなおし、傘を撫でた。


「この『お散歩形態』で剣と小銃(ライフル)、『ちょっと一息形態』で槍、『折りたたみ形態』で短剣と(ガン)、開けば盾……に見えません?」
「……いやいやいや! それは見ようによっては見えるかも知れへんけどそんな――」


 シャリオは傘を生地ごと両手で握り、少し捻る。


「これ、銃口が付いてるんです。ティアナのクロスミラージュも形は少し変わりますけど、魔力結合でダガーを出せますから、おそらくやりようによっては可能です」


 傘の先端に穴が開き、それをはやてに見せる。
 どうやら、これは偶然見つけたようであった。設計書を読み解く上で、武器搭載を匂わせる記載はあったが、核心を得る解読までは行き届かなかったようである。


「それと弾式魔力供給機能(カートリッジシステム)も搭載されています」
「カートリッジシステムが?」
「弾数は54発、連続供給が可能です。魔力容量は優れ、弾の大きさは現在皆が使用している弾の5分の1程でロード時間も格段に早いです」


 この詳細が設計書に書かれているが、複雑すぎて読みきれないという。A級デバイスマイスターであるシャリオは開発はできても理論部分は深くまで学習しておらず、装填方法、効率の理論式までは追いきれなかった。
 分かるのはこの傘がそのような機能を持っているということだけだ。


「な、何でそれをジャニカ二佐たちは公開しないんや? それがあれば局のデバイス全部向上できるやんか!」


 勢いをつけるはやてに対し、シャリオは息をついた。


「公開しているかどうかは分かりません。ただ、現行のままで充分要件を満たしていれば採用はされません。安全性を土台として、要件定義を充分満たす2つの設計書を比較したとき、現行規格採用で大量生産しやすいデバイス設計書と、要件以上の高性能を発揮しますが、構造が複雑且つ今までの規格を外れ、大量生産するまでに時間のかかるデバイス設計書、どちらを採
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