暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第2章 『ネコは三月を』
第28話 『ネコの傘』
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は無理だ。手加減できそうにない」
「わかりました……検討して頂き、ありがとうございます」


 それだけで十分とばかりに、コタロウは頭を下げた。


「ふむ。テスタロッサはどうなんだ? 六課で加減ができるのは教導しているものたちぐらいだろう」
「いえ、先ほども言いましたが――」
「私なら構いませんよ? その、動作確認にかかる時間はどれくらいなんですか?」
「20分です」
「それくらいなら、なのはたちも大丈夫だと思う」


 フェイトがそう言うと彼は顎を引いて考える。ジャニカが誘導したこともあるだろう。真面目である半面、融通のきかない彼は内心納得したのか顔を上げた。


「それでは、お願いできますでしょうか?」
「はい。それで、いつになさいますか?」
「特に、そちらのご都合がよろしければいつでもかまいません」


 それでは、と考えるフェイトの横から、はい! と手を挙げているシャリオがいた。
 子どもが元気に手を挙げているようである。


「シャーリー?」
「フェイトさんの予定、確認しました! 明日のお昼前とかどうですか? 私もその時間は空いてます!」


 既に彼女の予定を確認しており、自分の予定ともあう時間を割り出していた。
 長く付き添ったフェイトにとって、彼女が何故こうも生き生きしているのか大体の予想がつく。


「コタロウさん!」
「はい」


 シャリオは立ちあがって彼の正面まで来ると、手を合わせた。


「その『傘』見せていただけませんか? その、言うタイミングがなかなか無くて」


 外見だけではなく、機能も色々と見てみたいと彼女は付け加えると、彼は特に考える様子もなく、


「それは構いません。それでは、傘を握ったらご自分の名前を仰ってください」


 傘を抜き取り、傘に命令する。


「傘、権限付与(オーソリゼーション)6等級(レヴェル・シックス)。どうぞ」
「シャリオ・フィニーノ」


 人物認証したのか柄が光る。


「……あの、今のは?」
「権限付与です。6等級は1日閲覧、使用が可能です」
「使用?」
「フィニーノ一等陸士は魔力を保有していませんので、魔力を使用しない機能に限られますが、使用が可能です。設計書がデータで添付されていますので、ご覧になればよろしいかと」


 コタロウは閲覧方法を教え、シャリオは頷く。これだけ見ても、権限を付与されればだれでも使用できる汎用性が持たれていることに目を輝かせた。


「分解もされますか?」
「…………」
「フィニーノ一等陸士?」
「あ、はい! ありがとうございます! それでは、明日の朝にはご返却いたします」


 (ひと)(しき)
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